■「内定への一言」バックナンバー編


「やりたい仕事は、いくつかあった。

せずにはいられない仕事は、これだけだった」




昨日は、この春に卒業した学生さんから、人生で一番嬉しいプレゼントをいただきました。それはアルバムというか、雑誌というか、とにかく何と言ってよいか分かりませんが、卒業生の皆さんが取材記事風にメッセージを寄せて作ってくれた冊子です。



どのメッセージも有り難く、個性的で、なんと素晴らしい若者たちかと感動しました。僕は、学生時代はあまりお役に立てなかったかもしれませんが、卒業後にこそ本領が発揮できると思っているので、皆さんが社会人になる日が楽しみでした。



これからは仲間として仕事に邁進し、姿で後輩を導いていけるよう、気持ちを引きしめて、ともに励んでいきましょう。素晴らしい贈り物を、本当にありがとうございました。




そんな感動と感謝で明けた今日は、朝から業界研究の勉強会。忙しい中、10人近くが赤坂に集まり、深く、具体的で、共感できる志望動機を求めて、一枚の紙と向き合いました。昼の面接塾では、これまでになかったユニークな試みを実施。微力ながら、お役に立てた実感がありました。




さて、現在、就活に励んでいる3年生の皆さんは、志望動機や仕事を、どういった段階で位置付けているでしょうか?内定しか考えていなかった社会人は、実に惨めな働き方をしているものです。同じ「働く」にしても、


・これしかなかったから、仕方なく働く

・ただ何となく、働く

・生活のためだから、楽しくないけど働く

・自分が楽しいから、働く

・将来に関係ある仕事だから、働く

・社会や国のためを思って、働く


など、色々な「働く」があり、内定は、「ゼロ」に過ぎません。プラスではなく、マイナスがゼロになるだけ。そして、ゼロを目指しても、ゼロ以下にしかなれません。プラスを目指して初めて、ゼロになれます。25m泳ぎたい」と思っている人が、25m泳ぐ練習を重ねても、2024mの地点で力尽きます。30m泳ぐ練習をすると、25m泳げるものです。就活も仕事も勉強も、そんなものです。




よく知られているように、「給料×3」が、社員一人にかかる経費。月給20万円の社員なら、最低60万円の売上げに貢献しないと、「赤字社員」なわけです。「社内不良債権」と呼んでもよいでしょう。



2224歳の社員は、「可能性」で付き合ってもらえます。

2529歳の社員は、「現状」で付き合ってもらえます。



30歳を過ぎたら、「過去の実績」が評価の基準。つまり、25歳以上は「頑張ります」と言えない年齢で、そんなことを言おうものなら、「そんなの当たり前」と言われてしまいます。 僕も、学生が「頑張ります」と言うのを聞くと、「かわいいなぁ」と思いますが、同級生が「頑張るけん」と言うのを聞くと、「聞き飽きた。やってから言いに来い」と答えます。



言葉である程度信用してもらえるうちに、実行を通じて信用を獲得しなかったら、人生は進むほど辛くなるものなんですね。




では、これから迎える社会人生活や、さらにはその前に迎える新人研修、内定などで、自分の力を今以上に引き出し、自他共に認める働きぶりを発揮するには、どういった動機付けで仕事を捉えるとよいのでしょうか?




それは、「やりたい(興味)」ではなく、「せずにはいられない(使命感)」という気概で仕事と相対することです。




例えば、休日や就業時間が気になる人は、それが悪いというわけではありませんが、あまり「働きたい」という気持ちはないでしょう。onよりoffを見て仕事を選ぶと、offも不幸になるものです。充実した仕事なしに、充実した休息はありえません




もうすぐ試験だと思っているのに、カラオケに行ったとしましょう。きっと、お気に入りの歌を歌っている間にも、「勉強がやばいという不安が消えないでしょう。そんな気持ちのまま試験を迎えたら、中途半端な集中で不本意な結果を迎え、「早く遊びたいという誘惑もまた、消えないでしょう。



つまり、全てにおいて「中途半端」。何をやっても、やればやるほど、不幸が加速する人生態度です。




休みが気になる仕事って、だいたい、何なんでしょう。それは、「働きたくない」ということであり、休みに求めているものもまた、生産的なものではないでしょう。休みとは、会社に求めるものではなく、自分の実力に求めるべきもの。残業は往々にして、作業量が多いことよりも、着手が遅いことによって増えるものです。



反面、本気になれば、どうでもいいことは気にならなくなります。自己実現、自己表現、社会参加の実感や手応えも、より高いレベルで確認できるようになり、毎日は充実したものになるでしょう。そのような実感を持って社会人生活を送りたければ、「やりたい仕事」よりも、「せずいはいられない仕事」を選ぶことです。



・この社会において、これ以上継続してはいけない「状態」

・これからの時代において、放置されるべきではない「問題」

・この社会において、助けられねばならない「人々」

・この時代と社会において、達成されねばならない「目標」



そういうものを設定し、自らが思い描く将来のビジョンを作り上げる過程に、出会う人々を参加させていく営みもまた、「仕事」を通じて行えます。仕事は、あなたが望むもの全てを、あなたに惜しみなく与えてくれる「打出の小槌」です。何も得られないのなら、何も求めていないだけです。



「やりたい」で仕事が見つからないなら、

「やりたい」で行き詰っているなら、

「やりたい」で相手に思いが伝わらないなら、



あなたの動機を「せずにはいられない」という気持ちにまで高めて、心の中にどういう風景が見えてくるか、試してみてはいかがでしょう。きっと、沸々と燃えたぎる思いが確認できるはずですよ。