■「内定への一言」バックナンバー編
「心ここにあらざれば、見れども見えず。聞けども聞こえず」(宮本武蔵)
昨日、今日と、「内定もらった!」というメールがぽつぽつ届いています。去年と比べて、ずいぶん早いなぁと感じますが、最初の内定をもらった時点で、案外「まだまだやれる」と思うものですから、頂いた方は、これからが本当の就活だと思って頑張ってほしいものです。
内定って、もらうのよりも、辞退する方がずっとずっと難しいです。僕ももらいすぎて、断るのが大変でした。あの時感じた「なぜ、自分だけがこんなに受かるのか」という疑問に対する答えを、10年を経た今、学生さんのサークルで教えるなんて、ほんとに奇遇です。
さて、先日ちょっとメルマガでご紹介した「後世への最大遺物」(内村鑑三・岩波文庫)の反響も、なかなかすごいです。人によっては、「人を動かす」(D・カーネギー/創元社)よりも感動したようで、今日は筑紫女学園のNさんが「感動しました!今読んだばかりだけど、買いに行きます!」と言ってくれました。
また、インストラクターとしておなじみの大月舞さんも、「また、人生で読んでよかったと言える本が、一冊増えました」と興奮を抑えきれない様子でした。(最近の大月さんは感動しやすいようです。なぜでしょうね)
1904年に行われた小さな講演の、たった60ページ程度の記録が、なぜかくも支持され、受け継がれ、多くの大人物の青年期を刺激したのか…。「就活で、これだ!と思える突破口が欲しい」と思っている方は、\400を持って、ジュンク堂か紀伊国屋か丸善にGO!
1時間後には、感動のあまり、電車かバスを乗り過ごすことでしょう。あるいは、エントリーシートや面接で自分が発する言葉が、まるっきり変わるでしょう。もちろん、「いい方」に。それも、並のレベルじゃなく。
前置きが長くなりましたが、今日は面接塾③で、「情報の属性」について学びました。面接塾も今週で8週目に突入し、模擬面接もだいぶ本格的になってきましたね。
しかし、何事も「慣れてきた頃」が一番危ないもの。今日は初心を取り戻し、謙虚さを自分の武器とするため、FUNではずっと前から紹介している、ある例え話を紹介しました。誰でも知ってる、「テストの話」です。
皆さんは、高校か中学の頃、「苦手教科」はありましたか?誰でも、一つや二つは、あったかもしれません。
例えば、あなたが「英語」が苦手だったとしましょう。他の教科はそこそこで、得意教科の点数は決して悪くはないのに、なぜか英語だけは、いつも赤点付近を巡回中。「嫌い」が「苦手」を生み、苦手意識がさらに嫌になる結果を招き、もう、とにかく英語が嫌なあなたは、考えました。
「一生英語を捨てるか?それとも、ここで一念発起して頑張るか?」
…自分の可能性を信じたいあなたは、「よし、やってやる!」と決意し、2ヵ月後の期末テストを目標に、猛然と勉強に励むことにしました。朝早くから練習問題を解き、授業ではやったこともなかった予習と復習を頑張り、帰ってからも小テストを作って取り組み、今までにやったことのないような努力を続け、あなたは「分かる!」という喜びを感じ始めました。
そして、期末テストの日がやってきました。準備は万全。今までは「英語」と考えるだけだけで怖がっていたあなたは、今回は自信に燃え、「絶対に過去最高の点数を取ってやる!」と意気込んで、テストに臨みました。さて、注目の点数は…?
なんと、「95点」。
あなたは、自分を信じて努力を続けた結果、得意教科でもなかなか取れない高得点を、苦手教科で成し遂げてしまいました。
あなたは嬉しくて嬉しくて、誰かにこの達成の喜びを分かってほしくてたまらず、友達に「ねぇ、英語の点数、何点やった?」、「英語、めっちゃよかった!」、「私も英語ができた!」と話しまくります。そんな得意の絶頂のあなたに、ある友人が一言。
「なんだ。じゃあ、今回の英語、簡単だったんだね」。
あなたはこう言われて、どんな気持ちがしますか?「おまえが95点取れるんなら、テストが簡単だったんだろう」と言われたのです。正常な感覚を持つ人なら、良い気はしないでしょう。
怒りっぽい人なら、「何だと!」と逆上するかもしれません。繊細な人なら、「ひどい…」とショックを受けるかもしれません。誰だって、「よく頑張ったね」とか、「君の努力はすごかった」、「きっと、予習と復習が点数につながったんだね」と言われたいはずです。それくらい、子供でも分かる感情です。
しかし、これが就活になると、「愚かな失敗を繰り返しながら、気が付かない学生が多い」と、今日はお話しました。「業界研究」と称して、何やら資料を読み、ネットを活用して、あれこれ情報収集をして、「準備はばっちり」と自信満々の学生さんが、面接になると…。
「少子高齢化だから、御社は伸びると思いました!」、「御社の業績を見て、IT業界は景気がいいと考えました」、「グローバル化と中国経済の成長で、商社である御社の売上げも上がっていくと感じています」といったことを、平気で言うのです。
確かに「環境認識」も大事ですが、僕は、こういう言葉を聞いた3年前、「君は何を研究したのか?」と驚きました。言えば言うほど嫌われ、軽蔑され、苦笑されることを、本人だけは何も気付かずに、持ち前の笑顔と誠実そうな態度で、はきはきと話している…。これは、正しく翻訳すると、以下のようになります。
「御社はバカですが、人口構造のおかげで儲かっています」。
「御社の好業績の原因は、社員の努力ではなく景気です」。
「さほど優秀ではない御社も、グローバル化で助かっています」。
…学生の言う「業界研究」は、経済誌の記者だった僕から見れば、「業界罵倒」、「企業侮辱」と呼ぶべき言動でした。僕は学生がかわいそうになって、すかさず…。「おい!業界(企業)研究とは、業界(企業)の可能性を見つけることだ。誰が君たちにこんなアホな考え方を教えたんだ?」。答えは、「就○課」ということでした。
いやはや、恐るべし○職課…。「仕事」を目の前にして、「仕事」が見えていない。こんな「盲目」の視点に立っては、日経を読もうが、東洋経済を読もうが、何度合同説明会に出ようが、頑張れば頑張るほど、企業から嫌われるだけのことです。僕はさすがに、この時ばかりは、「Oh,my God!」と外人になりかけるくらい、たまげました。ほんと。
そういう「ギャップ」が他にも30~40個ほどあるので、悲劇が生まれないうちにと、面接塾や作文塾で教えていますが、学生は真面目なのに、なんとかわいそうなのかと今でも憤りが消えません。
まさに、剣豪・宮本武蔵が「五輪書」で語った、「心ここにあらざれば、見れども見えず、聞けども聞こえず」で、自分が何をしているか分かっていない学生には、全ての情報が無分別に入手・処理されていたのでした。
あなたは面接に、何をしに行っているのでしょうか?「あなたはテストで、よく頑張っている会社です。そしてこれからも、点数が上がるであろう会社です。それは、あなたのこのような勉強方法からも、明らかです」と言いに行っているんでしょう?
志望動機は、相手の中にありますか?詳しく言えば、業務内容や企業のビジョンが、志望動機になっていますか?個人的体験よりも、相手の状態や要望を優先していますか?
A「君は、美しくて優しくて気品があるから、付き合いたい」と、
B「俺は、色白で背が小さくて文句を言わない女が好きだから、付き合いたい」と、
どっちの告白を、あなたは歓迎しますか?意外と、Bが「志望動機」だと思っている学生も多いです。毎年。というか、理由探しに焦るあまり、どっちがどっちか、考えもしない学生の方が多いですねぇ。
そういうのは、「SO/NO」と言うんでしたね。企業の「周辺環境」ではなく、「努力」の中に可能性を見つけ、自信を持って伝えましょう。持ち駒がなくならないうちに。