■「内定への一言」バックナンバー編
「私は幸福だ。聞きたいことしか聞かなくていいのだから」(トーマス・アルバ・エジソン)
さて、今日の話題は「逆境を動機に」です。なぜこんなテーマにしたかと言うと、「自分や会社の表面」ばかりを見ていれば、そろそろ「ネタ切れ」になる時期だと思うからです。だからこそ、「見方を変えれば、話題は尽きない」ということを、一緒に考えてみたいと思いました。
その前に、ちょっと導入。
GDPと言えば「Gross Domestic Product」の略で、「国内総生産」と訳されています。昔は「GNP(国民総生産)」の方がメジャーな指標でしたが、GDPの方がより正確に一国の経済力を表せるということで、10年ほど前から交替しました。
ちなみに、営業の世界で「GNP」と言えば、「義理、人情、プレゼント」の隠語です。古き良き日本の、高度成長時代の営業手法が見えてきそうな当てはめ方ですね。まぁ、そういう時代もありました。
さて、お隣韓国のGDPは約70兆円、世界2位のわが国のGDPは400兆円を超えています。では、世界一位のアメリカはどうかというと…なんと、700兆円。
恐るべき経済力です。
私たちが目にする機械(車、家電製品、AV機器、パソコンなど)のほとんど全ては、そのルーツをたどれば、アメリカが生み出した発明に端を発しています。そのアメリカが誇る「発明王」といえば、やっぱりエジソン。
ある調査によると、アメリカのGDPの実に13.2%が「エジソンの発明に由来している」とも言われるそうです(「快人エジソン」浜田和幸/日経ビジネス人文庫)。
これを単純計算すれば、なんと「91兆円」ものお金が、たった一人の頭脳から生み出された計算になります。ビル・ゲイツの総資産額の10倍。日本政府の国家予算(84兆円)を超える金額です。
全米の労働人口は1億3,500万人だそうですから、この比率で計算すると、1,755万人がエジソンの発明によって生計を立てていることになります。たった一人の発明の成果で、「四国+九州の人々」か、あるいは「マレーシア国民」に匹敵する数の人々に職を提供するとは、信じられないスケールです。
さらに信じられないことは、この天才が小学校すらまともに卒業しておらず、母に勉強を教えてもらい、新聞配達のアルバイトをしながら小遣いを貯める少年時代を過ごしていたこと。しかし、ここまでは有名な話なので、別にこのメルマガで扱わなくても、どなたも知っていることでしょう。
実はエジソンは、「難聴」だったそうです。普通なら聞こえる音もよく聞こえず、普通に聞いていれば分かることにも反復や質問の必要が出てくるという、肉体的苦労を持っていたのです。
しかし彼は、そんなハンディキャップを全く気にせず、「私は幸福だ。聞きたいことしか聞かなくていいのだから」と当たり前のように言い、自身に課せられた制約をむしろ、精神集中のための好材料だと捉えていたそうです。(『人に好かれる』エルマー・ホイラー/ダイヤモンド社)
エジソンと言えば、電球を発明する際に多種多様な材料を試し、1万回近くも失敗を繰り返して、最後は「竹」のフィラメントを使用して、人類初の「電灯」を生み出したことがよく知られています。
しかし、その竹が「京都の竹」だったことは、あまり知られていません。このエジソンを陰ながら応援し、彼に日本という国の歴史を伝えたのが渋沢栄一だったという事実は、さらに知られていません(「20世紀日本の経済人」日経ビジネス人文庫)。
数千回に及ぶ失敗を、新聞記者に「あなたは1万回近くも失敗したそうですね」と指摘されたエジソンは、即座に答えました。
「違う。私は9,999通りもの、電球がうまくつかない方法を見つけるのに成功したのだ」
他の誰が失敗だと考えていても、ただ一人、当事者たるエジソン一人だけは、全てを「成功」だと考えていたんですね。当たり前のレベルが違っていて、本当に素晴らしいです。
さて、エジソンのこの「人生に逆境などない」という考え方を、就活に当てはめてみると、どういうことが言えるでしょうか。おそらく…。
「私は幸せだ。私を見込んでくれる会社でしか働けないのだから」。
という言葉になるでしょう。
ベストを尽くして一回一回の挑戦に臨んだエジソンのように、ベストを尽くすあなたも、一社一社の選考に感謝しながら、「自分を見込んでくれる会社との出会いを考えると、ワクワクするなぁ!」と思うはずです。
「早く決まる」なんて、全く価値がないことです。他人と比べず、「あるべき自分」と比べましょう。そうすれば、全ての結果に感謝できますよ。
だいたい、普通の人は「志望動機」と聞かれたら、「良い条件」ばかりを反射的に思い浮かべます。別に悪いことではありません。働くのですから、一定の条件は最初から満たしてもらっていなければ、それはそれで困りますよね。
しかし、人生に絶対に叶えたい夢を持つ野心家は、逆のパターンを取る場合があります。例えば…
「志望動機?業界最下位だからです。これほど本気になれる環境はないと確信しました」
「ヒット商品がないと聞いて、ぜひ自分が作ってやろうと考えた」
「誰も知らない会社なので、私が有名にしてやりたい」
「一番きつそうな業界なので、自分を鍛えたいと思った」
「週休1日なので、早く夢が叶うと直感した」
…などの志望動機も、世の中にはあるのです。僕も皆さんの年の頃は、「無名で、経営難で、誰も知らないマイナーな商品を扱っている会社」が条件でした。そういう会社に入れば、嫌でも自分の実力が分かると考えたからです。将来社長になるために、本気で起業準備ができると思ったからです。
そして、事実そうなりました。そうしようと思って入社したのだから、当然と言えば当然ですが。
だから、「志望動機って、何を言えばいいんだろう」と考えるのではなく、あなたが入手した情報全てに対し、「これを志望動機にするには、どう位置付けたら良いだろうか?」と考えてみましょう。
考え方次第で、どんな些細な情報も、貴重な「夢へのきっかけ」になりますよ。それがどういうことか、具体的に知りたければ、来週の大月さんの講演(2/21日経ナビ合同説明会)を聞くといいでしょう。
ということで、今日は「何でも動機になる」ということについて、考えてみました。