■「内定への一言」バックナンバー編
「敗北は延期に始まる」
今日から、FUN就活コース(17:30~西南会館)も後半のカリキュラムに入ります。回を追うごとに少しずつ参加者の層が厚くなってきており、例年1月下旬くらいからが本格的に増え始めます。今月はどういう出会いがあるのでしょうか。
さて、1月になると実際の選考も始まり、「直接役立つことを教えて下さい」と言う学生さんが増えてきます。ということで、今日は「選択」に対して、今からすぐに役立つことについて考えてみます。
私たちは日頃、いつも「決断」を繰り返して生活しています。全ての行動とその結果は、決断の産物です。そして、いくつかの選択肢がある場合、何を基準にどう決断を下すかで、行動する前から結果を予測することもできます。例えば、あなたが就職や受験などの選考を受けて、最初の関門をクリアしたとしましょう。早速、以下のような返事が来ました。
①面接の日程は、2日後と2週間後の、どちらがいいですか?
②受験日は、3日後と10日後の、どちらがいいですか?
③課題レポートの提出は、今週中と今月中の、どちらがいいですか?
いずれを選んでも、結果に対して有利、不利の別はありません。どちらからも「合格」が目指せます。そして、このように時期を異にする「二者択一」、あるいは「三者択一」の選択肢を提示された時、負けやすいのは往々にして、「期限までの余裕がある方」を選んだ場合です。
つまり、「2週間後」、「10日後」、「今月中」を選んだ方が、失敗する確率が高い、ということです。
…と書くと、「えっ?」と感じるかもしれません。
「どう考えたって、時間的余裕がある方が成功しやすいんじゃないか?」と、誰もが考えがちです。しかし、真実は逆です。なぜそうなのかを、一緒に考えてみましょう。
分かりやすいように、「面接」を例にします。あなたが今日家に帰ってパソコンを開くと、「エントリーシートが通過しました。つきましては、次回の面接試験の希望日時を、以下の2つから選び、返信をお願いします。①1/20、②2/1」というメールが返ってきていました。あなたはひとまず、喜び、安心します。
そして、どっちにしようかと数分間考え、その結果、②の2/1を選びました。その理由は、「最初だし、色々不足もあるだろうから、できるだけ時間的に余裕を持って準備をしたい」と思ったから。そして…緊張に緊張を重ねて受けた結果、落ちました。
あれこれ先輩に聞き、参考書を読んで準備をしてみたものの、最初の結果は「不採用通知」でした。なぜでしょうか?時間的余裕を作って、今の自分では万全に近い準備をしたのに。
「近い期限」と「遠い期限」の2つが提示された場合、どちらを選ぶかは、「準備」を考えるからですよね?そして、誰もが期限までにより多い日数がある方が、「レベルアップできるはずだ」と考えます。やることが本当に合っていれば、そうでしょう。
しかし…。「近い方」を選ぶ人は、なぜそっちを選ぶのでしょうか。それは「今の自分で間に合っている!よし、受けよう!」と考えたからです。つまり、「自分にはそれ相応の能力、資質が準備できている」と思った、ということですよね。
反対に、「遠い方」を選ぶ人は、これとは全く逆の考え方をします。「今の自分では足りない。もっと準備を充実させて臨むために、よし、延ばそう!」と考えます。つまり、「自分には面接試験に対応できる準備は整っていない」と思った、ということです。
もう、理解できたかもしれませんね。人が期限を引き延ばす時は、「ネガティブ思考に陥った時だ」ということです。自分の中に「すでにあるもの」を見ず、「まだないもの」を見たからこそ、延期するのです。
そして、「まだないもの」を探すという心の癖が、期限当日まで持続されます。すでに自分の中にある「プラスの要素」は発見、信用されず、「これじゃ不十分だ」と正しく評価しないため、期限まで長所が活用されることはありません。当然、当日はかなり緊張します。面接室に入るまで、「あれ、大丈夫かな?これって、これでよかったかな?」と、不安が収まることはありません。これは、自ら墓穴を掘る行為です。
「近い方」を選ぶ人は、確かに準備の余裕も少ないでしょう。しかしその心の癖は、「自分には○○がある!大丈夫だ!」と自分を信じる傾向が強く、能力や経験を正しく評価し、早期対決にひるまない、というものです。
「短所」は両方の人に等しく存在しています。同様に、「長所」もそれぞれにあるでしょう。ならば、どっちに着目した方が有利になりやすいでしょうか?
たとえ期限を延期し、自分で「十分」と思える準備をしようと思ったところで、ネガティブな心理からその準備が始まるのであれば、どれだけやろうが「不十分」になります。そして、延期の厄介な点は、「過度の緊張を招く」ということです。
「足りないところ」をこれでもか、これでもか、と当日まで探すのですから、それも当然でしょう。その結果、時間的余裕があるからと選んだ「遠い方」の選択肢は、余裕どころか不安と緊張に支配され、用意したほとんどの空き時間を、ネガティブ思考のもとに費やすことになります。ネガティブ思考は、期限までネガティブな想像と結果を続々と繰り出します。
人生には、表面的にそう感じるのとは全く違う「本質」があるんですね。
これで、大半の人がイメージする「時間的余裕がある人の方が有利」というのが、実は全くそうではないことが分かったと思います。与えられた時間の量など、質に比べれば取るに足りない要素です。ということで、皆さんもこれから、二者、三者択一の選択肢を提示されたら、迷わず「近い方」を取りましょう。
近い方を選んだら、自分の長所(良い話題)が見え、自分の大学生活を肯定的に評価(自信)でき、未来を積極的に語る(情熱)ことができます。このように、「やるぞ!」と思わなければ、やれる根拠はたとえ自分の中にあっても、正確に認識することは難しくなります。
本当の「余裕」とは、時間があることよりも、良い話題、自信、情熱が生み出すものではないでしょうか。時間をかけたって、この3つが揃わなければ意味がありません。即決できる人がいつも成功し、優柔不断な人が人生の全ての場面で負け続けるのは、こういう理由によります。
もちろん企業も、こういう人間心理の原則はよく踏まえていて、二者択一で期限を提示する場合、仮に後の方にも同数の選考枠を空けておいても、採用するのは大抵「近い方」を選んだ人に集中します。残り物に福はない、ということです。当然ですよね。「私はできる!」と思っている人の方が、入社後も伸びるに決まっています。
今日は、誰もが考えれば分かるのに、浅く考えて誤解している世の中の「当たり前」について考えてみました。就活、卒論、レポート、試験勉強…今日からすぐに役立てて下さいね。