■「内定への一言」バックナンバー編
「かっこつけてるうちは、大事なことは何一つやれない」
今を去ること6年前…。僕が24歳の頃のことでした。取材や営業で知り合った経営者、営業マン、独立希望者を集めて、ベイサイドプレイスで定例勉強会「一土会」を開催していたのは。「第一土曜日」という開催日を集まりの名称にしていただけの、シンプルな集いでしたが、10ヶ月で延べ参加人数は372人にも上りました。
もともとは、その頃準備モードに入っていた「起業」の資金を調達するため、出資者を少しずつ募っていこうという、きわめて個人的な動機から始まった集まりでした。でも、話すうちに「どうせやるなら、営業やビジネスを勉強しよう!」と賛同者が集まり、大野城の「まどかぴあ」では収容しきれなくなったのでした。
毎回発表者を決めては、「夢のプレゼン」を行い、お互いに感想を言い合った後に、僕が講師となって営業や会計についてミニ講演を行い、それから「営業チャンスの相互開拓」を目的に、交流タイムを作っていました。
簡単に言うと「FUNのトップ営業マンバージョン」といった感じの集まりでした。出資も200万近く集まり、めでたく独立できました。ちなみに、この集まりに最年少で参加していたのが、当時西南大2年だった、FUN創設者の安田君です。だから、今でもFUNの合宿の恒例行事は「夢のプレゼン」と呼ばれているわけなんです。
・外資系生命保険会社で、2年連続MDRT(営業成績が世界トップ5%に入る営業マンの賞)を取った人
・経営者研修教材で、西日本2位、全国5位になった人
・司法書士、社労士の資格を取得し、税理士に挑戦している主婦
・上場企業の部長や課長
といった人たちが、月に一度、自分の経験や達成をテーマを決めて語るわけですから、面白くないわけがありません。
この時に僕が話していた内容をさらにパワーアップさせたのが、今FUNで提供している「マネー塾」や「営業塾」、「スピーチ塾」、「ビジネス塾」の原型みたいなものですから、学生さんは本当にお得だと思います。そりゃ、新卒の内定くらい楽勝です…。内定の何倍も難しい「トップ営業マン」のノウハウが凝縮されているんですから。僕が大学を卒業していないばかりに、いつも変な講義ばかり作って、申し訳ないなぁと感じています。
さて、なぜこの懐かしい集まりを振り返ったかというと、この「一土会」、実は一度も広告宣伝を行うことなく、300人以上の多忙な人々が集まる勉強会に育ったからです。その理由を今振り返ってみると、当時最も多かった感想が、ヒントを与えてくれそうです。それは、新規参加者や見学者、あるいは継続参加者の皆が揃って口にしていた「カッコいい」という言葉です。
集まっている人、発表する人、出会う人が、男女問わず、揃いも揃って、皆カッコいいのです。そのため、県外や東京から、わざわざ一土会に会わせて福岡に用事を作る人が、毎月4~5人いました。皆トップ営業マンばかりなので、お金には不自由していませんが、時間は相当切り詰めていたはずです。また、中には、40度近い熱があっても参加した人もいました。
この集まりから生まれた夫婦は、実に3組もあります。僕はそのいずれにも入っておらず、紹介役に徹したばかりに、未だに独身なのですが、それにしても「結婚」という決定を下す相手に出会うほどのインパクトは、どこから生まれたのでしょうか。
それは、単純ですが「自信を持って夢にがむしゃらに立ち向かう姿」です。「言うこと」と「やること」が、変わらない。しかも、その情熱と行動が、毎月成長している。そして、絶対に言い訳をせず、必ず結果を出す。さらに、多趣味で笑わせ上手で、謙虚で明るい。
そんな友達の行うプレゼンからは、がむしゃらな努力が独自の言葉で語られ、なりふりかまわぬ自己改革のプロセスが、臨場感と鮮明なイメージを持って、参加者の胸を打ちました。
「会社が倒産寸前で、カッコつけてる場合じゃない」
「独立資金を貯めるためにも、カッコつけてる場合じゃない」
「苦しむお客さんを助けるためにも、カッコつけてる場合じゃない」
みんな、夢に夢中で、「自分のこと」など考えている暇などありませんでした。まさに、本メルマガでも以前紹介した、「健康であるとは、自分の存在に気が付かないということだ」(ニーチェ)を地で行く人ばかり。「今、何時?」、「今日は頑張りすぎていないか?」、「この辺でやめてもいいんじゃないか」といったヒマな悩みとは無縁で、人にどう思われるかなど気にせず、信じる道をひたすらに歩む仲間ばかりでした。
でも、そういう「カッコつけてる場合じゃない」という気迫で頑張っている人たちが、誰から見ても「カッコいい」と、モテモテだったのです。
「カッコつける」とは、要するに自信がないから、カッコいいと思う人のスタイルを借りて、そのイメージに頼って自分を飾る行動です。つまり、カッコつけてるうちは、カッコ悪い。それでチヤホヤされるなら、周囲の人間のレベルがその程度なんでしょう。そういうことを考えずに、完全に自分自身になり切って、誰も真似できないようなその人自身である時が、一番カッコいいものです。
そういう人は、1,000キロも離れた場所から毎月人を呼び寄せるくらい、強烈な磁力を発するものです。カッコいい人って、「真似が上手な人」じゃなくて、「真似される人」でもあるんですね。
僕は、この集まりや数年経験してきた法人営業、あるいはOL仲間との話で、「もてる男の共通点」を取材してみました。その結果は…
・仕事ができて、経済力がある。
・夢が「ある」だけじゃなく、実際に毎日実現していっている。
・知的で話が面白い。
・人望がありながら、謙虚で素直。
・無言でも信頼感、包容力、安心感がある。
・言った以上に動き、必ず結果を出す。
・夢を語る時の顔が「少年」。
・年下、年上を問わず態度が変わらない。
といった答えに集約されました。学生の皆さんが設定している基準とは違うかもしれませんが、トップ営業マンやトップセールスレディの間では、こういう答えでした。だから、3組も結婚してしまったんでしょうね。
かっこつけてるうちは、結果より過程が気になって仕方がないものです。つまり、大事なことは、何も進んでいないということ。面接でも、かっこいいことなんて、言おうとしなくていいんです。本当に信念を持って行動している人間は、普通の言葉がかっこよく響き、「この人が言うと説得力がある」と言ってもらえるものです。
誰の真似もせず、イメージの中にある「夢を達成した自分」の真似をしてみると…今日からかっこよくなれますよ。