■「内定への一言」バックナンバー編


「泣きながら学ぶと、笑いながら稼ぐ。

笑いながら学ぶと、泣きながら稼ぐ」(スペインの諺)


その②





関係は最初から「ある」ものじゃなくて、「作る」ものです。面接官でも不勉強な輩はいっぱいいるので、たくさん勉強して、「おつむの回り具合」をチェックしてあげるのも楽しいですよ。



「関係ない」なんて、誰でも言えます。文学部が就職に関係ないとか、福祉系の学科がビジネスに関係ないとか、教育学部は先生にしかなれないとか。無能な人間はそう言うし、そう聞いてそうだと思いたがります。そう思った方が、自分が傷付かずに助かるためです。自分は努力しているけど、専攻が合わなかったと言って逃げられるからです。



しかし、「関係ない」と言うことは、思考の放棄、精神の怠慢に過ぎません。それに「頭の良さ」とは、必ずしも「吸収力」を意味するのではなく、大抵の場合において「結合力」や「連想力」を意味するものです。人が「つながらない」と思い込んでいるものをつなぐ。つなげないものを、ユニークな連想でつなぐ。知識や情報とは、そういう風に編集し、活用してこそ、初めて価値が出るのではないでしょうか?



知識や情報に、何らかの積極的な「役割」を与える。それが「役に立つ」ということではないでしょうか?その「役」を与えるのが「関連付け」であり、「位置付け」です。色んな情報を仕入れ、試験で知識を蓄えても、個々の情報に役割がなければ、消化不良で便秘か下痢を起こすだけです。


脚本を書いていない、あるいは演出を考えていないなら、どんな有名人や名女優がいても、出番はありません。当然です。「役」がないから。キムタクも松嶋奈々子も、ストーリーがなければ、ただのカッコいい兄ちゃん、美人なお姉さんです。



これと同じようなことを、自分の勉強に対してやってしまっていませんか?名称はカッコいい講義ながら、自分は使い道が全く分からないなんてことに、陥ってしまっていませんか?そうであれば、今すぐ配役を決め、脚本を練り直しましょう。



あなた自身も、誰もがやる「作業(job)」ではなく、社会における価値ある「役割(role)」を求めているんでしょ?jobに物語は不要です。だって、誰がやっても一緒だから。反面、roleはストーリーがないと無意味です。僕の観察してきた範囲でも、学生は「job」より「role」を求めていると感じます


本人はそういう判別には関心がなく、ただ「会社」とか「内定」と言っていますが、その用語法を観察してみると、何が見えていて、何が見えていないかが分かります。もっとも、大学の就課では、いまだに「job hunting」とか書いているのを見ると、まるで骨董品のように見えて、写真を撮りたくなるくらいの哀愁に駆られますが。



ということで、今あなたが社会で興味のあることや、怒りを感じていることや、放置しておくと大変だと思うことや、助けてあげたいと思う人と、今あなたがやっている勉強をつなげてみましょう。そうしたら、「やりたいこと」くらい、簡単に見つかります。「やりたいことがない」と言っている学生は、自分のことしか考えておらず、会社のビジョンより条件ばかり見ています。


要するに、何の関連付けも行っていません。これから恋をするという時に、相手の個性や夢を見ようとせず、レントゲンで撮影した肋骨の写真を見ているようなものです。肋骨を見て惚れますか?惚れないでしょう。「やりたいことが見つからない」と言うのも、それと同じです。



「つなげ方」が個性です。正解はありません。自信と展望が持てれば、それが正解です。「私は○○学科だから」とか思っている人は、あなただからそう思っているだけだと自分に喝を入れ、積極的に将来を描きましょう。



あなたがニヤニヤ笑いながら、「本当は○○学部に行くはずだったんだけどね」などと言い、未だ本腰を入れずに勉強しているなら、あなたは今から2~3年後には、「やりたくないけど支払のためだから仕方ない」と、泣きながら働いているでしょう。


反対に、あなたが苦悩や感動で心の涙を流しながら、あなたしかつなげられない「未来と今」のために現在を生きているなら、あなたは2~3年後、笑いながら働いているでしょう。



その証拠に、「大学の勉強は役に立たない」とか「大学でもっと勉強しておけば」と言う社会人は、例外なく「今の仕事が嫌な人」たちです。あるいは、心の底で今の自分に同意していない人たちです。ただスーツを着て会社にいるから、社会人なのではありません。注意しましょう。そんな年長者から「情報」を取ろうが、何の役にも立ちません



「仕事が楽しい」と言う大人こそが、最も楽しい、そして正しい働き方を知っています。だって、「楽しい」という言葉には、過去に対する信頼、お客に対する感謝、仕事に対する誇り、チームに対する自信、未来に対する希望が表れています。


だから、「楽しい」と聞いたのにわざわざ、「楽しくないと言う人の意見も聞いておいた方がいい」なんて愚かな真似はやめましょう。「楽しくない」と言う人は、働き方が間違っているだけです。



あなたが部活に入る時、「楽しいよ」と言う人と、「楽しくないよ」と言う人のどちらを信じますか?あなたがこれから結婚しようという時、「結婚してから人生が最高に楽しい」と言う人と、「去年離婚した人」のどちらに相談しますか?子供でも分かりますよね。


今の自分が卒業後の自分です。「いや、そうじゃない!」と奮起して頑張れば、それが卒業後の自分です。卒業後の自分は、もうここにいます。