■「内定への一言」バックナンバー編
「惰眠に勝てれば、全てに勝てる」
FUNは発足以来、朝を大事にしてきたサークルです。毎週水曜の早朝読書会も、今月から「知的生活の方法」(渡部昇一・講談社現代新書)を読むことにして、昨日は七人で朝七時から読書会を開きました。昨日は冒頭の「自分をごまかさない知的正直さ」がメインテーマで、渡部さんが子供の頃に親しんでいた「将棋」に対する態度から、何かをやってものにする人、中途半端で終わる人の事例を学び、勉強や仕事に対する基本的な姿勢をみんなで確認しあいました。
神戸に綱沢昌永さんという教育者がおられ、古典や武道を軸にした幼児教育を展開しておられます。関西の不良が集まる学校を何校も立て直された方で、僕も学生時代に何度か講演をお聞きしたことがありますが、「別に不良がだめなわけじゃない。彼らは一喝して気合いを入れれば、朝から元気いっぱいで起きるようになる。早起きできれば、人生は成功したも同然です。事実、生徒は見違えるような態度で勉強やスポーツに取り組むようになる」と言っておられました。
その時の言葉で印象に残っているのが、「人間、朝だけは自分の力でおきんといかん。起床というのは最も深い部分での動機を必要とする動作だから、起き方一つ見れば、その人の人格が分かる。親に起こしてもらったり、目覚ましの時間をずらす人間は、お金や仕事に対しても、全く同じ態度を取る。起床ほど潜在意識が表れる行動はない」という(意味の)言葉です。
もう十年ほど前のことなので、僕が印象に残っているのは「惰眠に勝てる人は全てに勝てる」、「時間とお金に対する態度は似通う」というもの。僕はずっと早起き人間で、二十代はずっと朝と深夜に勉強してきましたが、「朝を制する」というちっぽけな行動が、どれだけ一日、一ヶ月、一年に多大な影響を与えるか、身をもって実感しました。
「朝、起きるのが嫌だ」という、多くのサラリーマンや学生が口にする声の原因は、一体何なのでしょうか。それは、「起きて取り組むにふさわしい一日ではない」という、実に恐るべき事実です。早起きしたくなるような人生ではない、ということです。僕は創業前に、友人六人と、毎週月曜の朝六時に大橋ジョイフルに集まり、「十八史略」を読みました。朝四時五十分に起床し、車で友達二人を迎えに行って、七時半まで本を読んで、それから仕事に向かう、というイベント一つで、一週間、一ヶ月が変わりました。さらにすごいのは、このうち四人は二十代で予定通り起業して、かつ、全員二十代で月収が一○○万円を超えていることです。さらに、今でも毎月収入が上がっています。今では同級生の半年分くらいの収入を、全員一ヶ月程度で稼ぎます。朝に強い人間は、「口だけ」で終わらないから、信用され、期待され、仕事を任されて当然です。
ということで夏は、昼起きれば「あちーあちー」と言って過ごすうちに夕方になるだけの季節ですが、朝起きれば、これほど気持ちのいい季節はありません。今日から惰眠を一掃しましょう。人柄に風格が出てきて、言動に説得力が出てきて、物事が加速度的にうまくいくようになってきて、人生が変わってきますよ。たった一度の朝の決意で、「その他大勢」を一生引き離せると分かれば、起きない理由はありませんよね。