マダムの部屋様のブログの転載です。


94日、最高裁判所が驚くべき判断をしました。非嫡出子(婚外子ともいう)、つまり正式に結婚していない男女の間に生まれた子供の法定相続分が嫡出子の半分、と定められた今の民法の規定は「法の下の平等」を定めた憲法に違反する、というものです。しかも裁判官14人 が全員一致の結果だというのですから本当に呆れました。しかし、呆れてばかりもいられません。法務省はこの最高裁の判決を受けて次の国会に民法の改正案を 提出する構えを見せているそうです。あまりにも手回しが良すぎます。おそらく法務省は予め改正案を準備していたものと思われます。

  今の制度のままでも、もし遺言書があれば非嫡出子が嫡出子と同等の財産を相続することはできます。男性が外に愛人を作ったとしても、その愛人との間に深い 信頼関係があり、子供に対しても心から愛情を持っていれば遺言でその子供を優遇することはできるのです。その場合、嫡出子には遺留分がありますから嫡出子 にも財産は残ります。十分、行きとどいた制度だと思うのですが、なぜこれを変えなくてはならないのでしょうか? 平成7年にも同じような裁判が起こされていますが、その時は「合憲」の判断が出ています。18年後に同じ裁判をやって、なぜ正反対の結果が出るのでしょうか? 一体、裁判官は何を考えているのでしょうか?

 判決理由の一つに「現在では嫡出子と非嫡出子の間で相続分に差を設けている国は欧米にはない」という文章がありますが、なぜ欧米の真似をしたがるのでしょうか? 雑誌「WILL11月号に弁護士で元裁判官の井上薫さんが「婚外子違憲判決八つの誤り」という論文を寄稿していらっしゃいます。それによると平成23年、フランスの非嫡出子の出生比率は56%、イギリスは47%、アメリカは41%、イタリアは23%、それに対してわが国はたったの2%です。たった2%しか生まれない非嫡出子のために現在の穏当な制度を変えようとしているのです。

 内閣府の世論調査によると「嫡出子と非嫡出子の相続できる金額を同じにすべきだ」という意見は平成8年が25.0%、平成18年が24.5%、平成24年が25.8%です。「現在の制度を変えない方が良い」という意見は平成8年が38.7%、平成18年が41.1%、平成24年が35.6%でほとんど変わっていません。最高裁の判決では「平成7年以降、半分規定の合理的根拠を失わせるほどの急激な社会環境の変化があった」と言っていますが、国民の約4割が今の制度が穏当だ、と考えているのです。民法は国民の生活に直結するものが多いのですから、国民の意識を尊重しなければなりません。

  この判決が非常に危険だ、と思うのはこれは結婚制度の否定につながるからです。結婚していてもしていなくても子供のもらえる財産が同じだ、ということに なったら結婚を選ばすに子供だけ産む女性が増えるのは当然です。財産は夫婦が協力してコツコツ築いたもののはずです。夫を長年支え続けた妻に対する思いや りがこの判決には感じられません。国の根幹である家庭の破壊につながるような判決に対しては主婦が声を上げていかなくてはなりません。

 最高裁の判決を伝えたマスコミの論調は、一様にこの判決がさも人道的であるかの風を装っていましたが、94日、裁判所の前で横断幕を持って立っていた人たちは一体どういう人たちだったのでしょうか? 横断幕には「なくそう戸籍と婚外子差別」と書いてあったのを覚えている方もいるかと思います。そうです、彼らの目的は実は戸籍の廃止、なのです。

 今回の判決は裁判史上まれに見るトンデモ判決です。この判決にお墨付きを得て日本を根本から変えてしまう民法の改正案が国会にかけられようとしています。本当に怖いです。次の国会での民法の改正は絶対に阻止しなければなりません。是非、谷垣法務大臣や自民党の国会議員にこの問題の深刻さを知らせていただきたいと思います。

 なお「チャンネル桜」で元刑事の坂東忠信さんが、この問題を国籍法との関わりのなかで非常に分かりやすく説明していらっしゃいます。こちらを見てこの問題がいかに深刻か、を知っていただきたいです。

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http://www.youtube.com/watch?v=1SCNve__HCs