南海トラフの巨大地震と津波を想定して、大阪府で、府内にいる人の携帯電話に緊急地震速報のメールを一斉に送る、初めての訓練が行われました。
大阪府の人口にちなんで「880万人訓練」と名付けられたこの訓練は、南海トラフの巨大地震で、最悪の場合、府内で震度6強の揺れと津波で7700人が死亡するという国の想定を受け、大阪府が初めて行いました。
訓練では、午前11時に、府の危機管理室の職員が3台のパソコンを操作し、府内にいる人の携帯電話に緊急地震速報のメールを一斉に送信しました。
大阪湾に5メートルの津波が押し寄せた場合、水につかる危険性が指摘されている大阪・梅田の地下街では、メールが届いた買い物客などが、「安全を確保し避難して下さい」という文面を確認していました。
大阪府によりますと、府内で、これまでに携帯電話に緊急地震速報が送られたことはなく、訓練をきっかけに、家庭や職場で大地震の際の避難や連絡方法について話し合ってほしいとしています。
大阪府内では、このほかにも、防災行政無線を使った情報の伝達訓練や小中学校での避難訓練など、各地でさまざまな訓練が行われています。
大
阪府消防防災課の久保哲総括主査は「これまでは個人を対象にした訓練はしていなかったが、東日本大震災の際、個人の防災力が生死を分けたという教訓があ
り、今回、この訓練を企画した。今、この瞬間に地震が来たらどうするのか、避難場所や安全が確保できる場所はどこなのかを、常日頃から頭に入れてもらうこ
とが重要なので、この機会に防災情報の確認をしてほしい」と話していました。