[東京 29日 ロイター] 古河スカイ
(5741.T: 株価
, ニュース
, レポート
)と住友軽金属工業(5738.T: 株価
, ニュース
, レポート
)は29日、2013年10月に合併すると発表した。合併会社のアルミニウム板製品の生産能力は年100万トンを超え、世界で第3位グループとなる。
合併により、国内アルミニウム圧延事業の基盤を強化するとともに、海外での競争力を高め、グローバル化を加速する。
アルミ圧延品の需要は、人口減や高齢化の影響に加え、顧客企業の海外生産移転で国内では減少傾向が続いている。また、東アジア地域では海外アルミニウム圧延メジャーの攻勢や中国など新興勢力の台頭で競争が激化している。
会見した住軽金の山内重徳社長は、合併を決めた理由について「国内ではメーカーがひしめきあっているほか、顧客が海外に生産拠点を移管し、 需要が減少している。東アジアでは熾烈な競争が加速しており、このままでは生き残りさえ危ういとの危機感があった」と語った。そのうえで、アルミ板製品能 力で8位の古河スカイ と12位の住軽金が合併することで、新会社の年間生産能力は123万トン規模となり、米アルコア(AA.N: 株価 , 企業情報 , レポート )と米ノベリスNVLX.ULに次ぐ世界第3位になると指摘。「技術力、製品開発力などで互いの力を結集すれば、これでいけると考えた」と語った。ノベリスはインドのアルミ大手ヒンダルコ・インダストリーズ(HALC.BO: 株価 , 企業情報 , レポート )の子会社。
合併効果としては、生産拡大によるコスト競争力の強化、事業領域の拡大や多様な顧客ニーズへの対応力向上、グローバルな製品供給ネットワークの構築などを挙げたが、数値目標は明示しなかった。工場など設備の統廃合については「今後検討する」(古河スカイの岡田満社長)とのコメントにとどめた。
合併は株式交換で行い、住軽金1株に対し、古河スカイ 0.346株を割り当てる。存続会社は古河スカイで、住軽金は13年9月26日に上場廃止する予定。
来年4月に合併契約を締結し、6月の株主総会で合併承認を得る計画。社名は未定。住軽金の山内社長が合併会社の会長兼共同CEOとなり、古河スカイの岡田社長が社長兼共同CEOに就任する。共同CEO体制は「早期に融和を図るため」(住軽金の山内社長)で、一定期間後に見直す方針。
古河スカイ のファイナンシャル・アドバイザー(FA)は野村証券とみずほ証券、住軽金のFAはSMBC日興証券と大和証券。