本日のつぶやき 10月26日
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日銀が30日の政策会合で国債購入資産買入基金規模を10兆円の積み増す案を検討しているとの報道で円が全面安の展開となりました。先月に引き続き2か月連続で追加緩和を行うのは異例という事です。海外市場では日銀のこれまでの消極的スタンスに対し甘く見ていたこともあり、今回の動きには敏感に反応。前日のFOMCでは追加緩和を見送り現状維持としたFRBとの金融政策の温度差が円を更に売り易くしたとみてよいでしょう。NY時間には格付け会社フィッチが米国AAA格付けを引き下げるとの噂が広がりドルが下落。その後フィッチは年内まで格付け変更はないと否定したことで買戻しが強まるなど荒っぽい動きがみられました。FOMC声明でもあったように米国は穏やかな成長を継続していることや、中国も景気底入れに対する刺激策を打ち出すとみられます。欧州ではスペインの支援要請も近いとの見方などもあり市場には安心感が戻り始めています。そんな中で、日本の貿易赤字の拡大や追加利下げなどで円売りの流れが徐々に形成されつつあります。
今日は米国GDP速報値が発表され前期の1.3%から1.9%に上方修正されると予想されます。米好景気回復期待がこれで再度確認されればリスクオンの動きが強まりクロス円の買いが更に強まるとみます。
噂で買って事実で売るとの諺などを引用し、30日の追加緩和が終われば円が再び強まるとの見方が多く聞かれます。しかし、それさえも市場は織り込んでいなければ今回のような動きにはならないのではと考えます。
<ドル円>
ドル円は80円台の売りをこなしながらNY時間には80円30銭まで上昇。上昇速度は極めて鈍いのは実需の売りによりポジションが一時的に膨らんだためとみてよいでしょう。NY時間に米格付け引き下げの噂でドル売りが強まったものの下値は79円94銭で折り返してきました。それだけドル円の買いが出遅れているとみることができます。予想レンジは80円65銭(半値戻し)から79円90銭
<ユーロ円>
日銀追加皮への期待から東京時間にユーロ円は104円40銭まで上昇したものの、前々日に付けた104円58銭には届かずに失速。英国のGDPが予想を上回ったことからユーロからポンドに資金がシフト、いわゆるユーロポンド売りがユーロの上値を抑えた格好となりました。その後米国格付け引き下げの噂から103円ミドルまで売り込まれるなど荒っぽい動きが目立ちました。米国景気回復期待などで対ドルでもユーロの上値は重くユーロ円の上昇速度は極めて遅いとみます。今日の米GDP速報値や個人消費などが予想通り好調な結果となればクロス円全般に買いが強まるものの、ユーロ円の上昇幅は限定的となりそうです。104円80銭から105円にかけては強いレジスタンスとみます。
<オージー円>
高金利通貨であり資源国通貨でもあるオージー円が本格稼働に入りました。ドル円の上昇が確認された時が日本からの投資マネーの動き始めるときです。83円ミドルが強いレジスタンスとなり、ここを抜けたところで買い出動するというのもいいでしょう。ただ、そのような時はだましが多く、抜けたと思っても一度振り落されるパターンが多く見られます。朝方にNZドルの下落に伴い82円台に突入したもののすぐに押し戻されています。買い遅れ観があるものの週末という事もあり再度82円台に戻る場面もありそうです。昨日のNYの安値82円65銭をバックに買いを入れていくというもの一つの手ではあります。