「円売り材料とリスクオン」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~





週明けの東京市場ではEU首脳会議への警戒感からユーロ円を中心にクロス円などの売りが先行。しかし、その一方で円売りの動きからドル円やクロス円が上昇に転じます。ソフトバンクが米携帯電話3位のスプリントを201億ドルで買収するとの報道で円は上昇。今回の買収は米国企業買収では過去最大の規模となります。発表前にはある程度ドルを調達していると思われますが、それ以上に今後の市場への影響は大きいものとみます。円高が今後日本の大きな武器であることを内外に知らしめたことです。米国にとっては日本の資金が入ることはプラスとなりますが、それが今後も更に加速するとなれば脅威にもなりかねません。冷酒のように徐々に効いてくるのではないでしょうか。
また、先週のIMFやG7では円高阻止への日本の立場を表明し異論が聞かれなかったこともあり市場には介入警戒感もあり無暗に円買いポジションを持ちにくくなったとみられます。
昨日の米9月小売売上は予想を大きく上回り3か月連続の増加となりました。また、シティバンクの決算が一時的な要因を除けば27.3%の増益となりリスク回避の動きが後退。先週まで下落が続いたNYダウは上昇に転じたことで安全通貨であるドルや円の売りの動きが強まりました。スペインの支援要請やギリシャのユーロ離脱懸念など今後もリスクは燻るものの、市場の不安感は徐々に後退してきているように感じます。
欧州やアジアの景気減速が目立つ中で米国が今後世界景気のけん引役として期待が高まります。
今日の米9月消費者物価や鉱工業生産、そしてNAHB住宅市場指数などは前月から改善が見込まれます。特に、住宅関連指標はQE3の目玉だけに注目されます。

<ドル円>
ドル円はいよいよ本格始動に入る準備は整いました。下落リスクを感じて恐々買っている時というのは寧ろ上昇する事が多いものです。昨日は瞬間一目の雲に入ったものの終値では雲の下限で引けてきました。しかし、朝方からは既に雲に突入。雲の幅は薄いことから上限の79円をいずれ抜けてくるとみます。9月19日に付けた高値79円20銭が目先のレジスタンスとみます。企業の想定レートは79円付近でもあり一先ずこのレベルでは実需も含めた売りが上値を抑えてきそうです。サポートはNY終り値付近の78円65銭付近。


<ユーロ円>
EU首脳会議への懸念などから売りで始まったユーロもその後は上昇。ドイツのメルケル首相やジョイブル財務相などギリシャの離脱に対し批判的な発言をしたことでユーロは上昇。ドル円も上昇に転じたことで底値は徐々に切り上がってきました。一方、上値も103円85銭、102円80銭と下げてきており三角もち合いに入る可能性が高まります。102円75銭を上抜けるようであれば94円からの上昇トレンドが復活。101円80銭を下回ると一時的に101円30銭付近までの下落も。

<オージー円>
RBA総裁は世界景気減速に対し必要なら金融政策で動く余地があると発言。オージー円は一時80円を割り込む場面もみられました。しかし、79円台での買いは強く押し戻されました。ドル円の底値感が出始めていることからオージー円はもう一段の上昇に期待が高まります。
ただ、来月に再度追加利下げを実施するとの観測もありRBA議事録の結果を見てから買いを入れていくという事になりそうです。昨日から織り込み始めていることもあり下げ幅は限定的とみます。
上値目標は81円20銭。