ソフトバンクM&Aのインパクト | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~





朝方発表されたS&Pによるスペイン格付け引き下げで円高懸念が更に高まって始まったアジア市場。その後、城島財務相がG7で円高による日本の経済下振れリスクなど円高懸念を表明。各国からの異論が出なかったことやIMFのラガルド専務理事が理解を示すなど、一先ずやることはやったといったところでしょう。元々、IMFやG7開催前からも円高がそれ程進んでいたわけではなく、あらためて各国の理解を求めたことで円高への懸念は更に後退したとみてよさそうです。
そんな最中、ソフトバンクが米国第3位の携帯会社を2兆円超で買収する検討に入ったことが報じられました。円高が進んだことで政府の後押しもあり日本の海外へのM&Aは増加する傾向にありました。しかし、今回のソフトバンク報道はこれまでとは少し異なり、今後の為替相場へ影響を及ぼすきっかけとなる可能性が高いとみます。
2兆円という規模もそうですが、世界的に大きな市場である携帯事業の買収という事も市場の注目を浴びるものです。そして、それが米国企業という事も今後相場を占う上で考えておく必要がありそうです。米国にとってドル安というのは戦略的に重要な武器の一つでもありました。しかし、ここにきて日本の対米輸出は減少。それ程米国にとって円高メリットはなく寧ろ今回のソフトバンクの動向は米国にとって脅威となる可能性が高まります。
これまでの円高のほとんどが米国の力によるものでした。それが、ここにきて円高が米国の重要な産業を買収する動きが高まるとすれば戦略の変更も考えられます。とはいっても、米国にとって最近では中国への警戒心が強く日本に対する警戒心はそれ程ないとみられます。
考え過ぎかもしれませんが、今後の相場をみる上では頭の片隅に入れておく必要もありそうです。規模も今回は2兆円超とこれまでのM&Aに比べて大きく、需給的にみても今後実際にドル円の底を支える場面もありそうです。

<ドル円>
円安への材料が昨日は多くみられました。朝方はスペインの格下げで円高が進行して始まったものの、その後はG7での円高懸念を表明するなどドル円の下落も限定的となりました。欧米市場では欧州懸念が後退。米国でも新規失業保険申請件数の低下などで株価が下げ止まってきたこともありリスク回避の動きが後退。クロス円でも全般に円安の動きが強まりました。ドル円はまだドル売り円売りの綱引きから解放されず狭いレンジでの動きが続きます。IMFの世界経済見通し下方修正や、欧州財務相会合などで欧州問題解決の具体策がみられず悲観的なムードが漂っていました。しかし、株価の下げ止まり感が出てくればリスクオンの動きにすぐに変わりやすいのがマーケット。ドル円の底堅さは継続するとみます。今日のレンジ予想は78円75銭~78円25銭。


<ユーロ円>
100円割れは何とか阻止できた事でダブルトップ形成はならず。これで、当面の下落リスクは回避されたとみます。ただ、ユーロを積極的に買う材料も今のところなくドル円の底堅さが支えとなりそうです。今日からNY市場では米国金融機関の決算が始まり市場は既に悪材料を織り込んできました。NYダウが上昇に転じるようであればユーロ円は更に上値を試す展開とみます。
レジスタンスは101円80銭、102円20銭。サポートは101円10銭、100円80銭。

<オージー円>
雇用統計がポジティブサプライズとなり下落から上昇のきっかけとなりました。
6月からの強いサポートとなっていた79円台で今回も跳ね返された事で今後も更に強いサポートと意識されることになるでしょう。NY市場では株価が後半だれてしまったことで押し戻されたことで目先の利食い売りも終了。80円前半をサポートに上値を更に試す展開とみます。NY株式市場の動向次第で81円台乗せも視野に入ります。レジスタンスは80円80銭、81円20銭。サポートは80円20銭、80円ちょうど。