下落に転じたかと思われたユーロは再び上昇に転じました。
朝方はNZドルの下落の影響でドル円やクロス円も下落。市場の流動性が低いこともありますが、方向感の乏しいなかで荒っぽい展開が目立ちます。欧州時間に入りスペイン短期債の入札が上限額を超えるなど好調な結果となりました。また、ファンロンパイEU大統領がスペインの銀行支援に向け迅速に行動する用意があると発言するなど欧州危機に対する警戒感が後退。そして、9月1日に予定されていたドラギ総裁のジャクソンホールでの公演がキャンセルされたとの報道でユーロは1週間ぶりの大幅上昇。取りやめの理由として「向こう数日に多忙を極める」とされたことで市場は9月3日のECB理事会を控えドラギ総裁が何らかの行動に出るのではといった憶測が広がりました。理事会ではイタリアやスペインなど国家の借り入れコストを引き下げる取り組みの詳細を明らかにするとみられ、ユーロに対する安心感が高まりそうです。
米国経済指標はケースシラー住宅価格が予想を上回るものの消費者信頼感指数は予想を下回るなど強弱入り混じる結果となり追加緩和への思惑が交錯。市場にはECBとFRBへの思惑だけが飛び交うなど短期的に荒っぽい動きが多く見られます。今日も米国経済指標の発表を挟んでリスクオンによるクロス円の動きに注目したいと思います。
<ドル円>
NZドルの下落でクロス円が全般に売られたことからドル円も上値の重い展開となりました。
先週の下落幅を埋めに入ったかと思われたところで落とされたことから買いの勢いも一旦は萎えてしまったように見えます。ただ、欧米市場でユーロが復活したことでクロス円もリスクオンによる底堅い動きに転じています。クロス円の上昇が強まればドル円の買い意欲が再び高まりそうです。
<ユーロ円>
結局三角もち合いからは放れず98円から99円のレンジで暫くもみ合いが続きそうです。一旦下落に入ったかと思われたユーロドルも一目の雲の上に抜け出したことで下落懸念が後退。ユーロ円も今日のNY終値が雲の外で終わるか注目。パラボリックのSARが96円95銭に位置していることから、このレベルには注意が必要です。
<オージー円>
NZドルの下落でオージーも同時に売りも強まり対ドルでこの日の安値1.0344まで下落。このレベルはボリンジャーの下限バンドもあり下げ止まりました。オージー円も同時に81円20銭付近にボリンジャーの下限バンドがサポートとなっています。今日もこのレベルがサポートされるようであればそろそろ下げ止まり感が出始めるタイミングとみます。ボリンジャーの中心線でもあり50%戻しの82円40銭付近が上値目標。