先週は昨年2011年度の日本の貿易収支が31年ぶりに赤字に転落したことを受け円安が進行し、ドル円も約2カ月ぶりにレンジを超えて高値78円27銭まで上昇しました。
しかし、その後FOMC声明でFRBは「少なくとも2014年遅くまで超低金利政策を継続する」との方針を示した事でドルが全面安の展開となりました。
やっとレンジを抜けて動き出すかと思われたドル円は再びレンジの下限へと押し戻されるなど荒っぽい動きが見られました。
また、ギリシャ債務減免交渉も銀行団とギリシャ政府との対立から、依然として決着がつかずに今週にずれ込むなどユーロの不安感が燻り続けます。
今週はそのギリシャ債務減免交渉も何とか決着がつくとの報道もあり、その結果ユーロ不安が後退しユーロは更に上昇すると思われます。
ただ、年初から下落したユーロのショートカバーは既に一巡しており、更にFRBによる低金利政策の長期化からドル売りによるユーロ買いが強まっています。
そのため、もしギリシャ交渉が一段落したとしても、その影響は限定的となるのではないでしょうか。最近のユーロの動きをみると格付け引き下げの時のような噂で買って事実で売ると言ったパターンが見られます。
今回も既に大分織り込んできたと思われるだけに、後追いのユーロ買いには要注意です
今週のもう一つの注目材料は週末に発表される米雇用統計です。
前週のFOMC発表から次第に市場の注目は欧州から米国へと移り始めている事から今回の雇用統計は特に注目です。
市場は非農業部門雇用者数が15万人の増加を予想するものの、予想を下回った場合には更にドル売りが強まる可能性が高まりそうです。
反対に、予想以上の場合には既に政策金利長期化が明らかとなっている事からドル買いには反応しにくいと見る事が出来ます。
ドル円の下落には要注意です。
先週高値を抜けて上昇期待が高まったものの最後に下駄を外された格好となりました。
市場には再び円高への懸念が強まる中で、雇用統計次第ではドル円の下値を試す切っ掛けにされる可能性があります。
ただ、実需ベースでみるとこれまでの様な売りの勢いはないと考えれ、下値の余地も限られそうです。
1月は相場の流れをみるうえで大きなヒントを与えてくれる月でもあります。
今週の動きはその上でも注目される週になりそうです。
ドル円の予想レンジ:77円50銭~75円50銭