米財政赤字削減の行方と欧州危機拡大 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~


先週はイタリアやスペインにとどまらず、更に東欧諸国にまで欧州危機が拡大し始めるなど市場のリスク回避の動きが強まりました。
ギリシャ問題が一先ず後退したものの市場のユーロへの不安感は最高格付けを持つフランスやオーストリア、そしてオランダといった国債の利回りも上昇。
これらの国債を保有する米国銀行などのリスク拡大懸念が強まりました。
その動きが更に欧州債離れを加速させ国債が売られるといった負のスパイラルがみられます。
これらの影響を最も受けやすいのがアジアや東欧など経済基盤の弱い国々で、事はすでに欧州だけではなく世界中に広がり始めたといってよいでしょう。

また、米国でも今週の23日を合意期限とする超党派議員による財政削減法案の期日が迫ります。
今年7月には米国債務上限引き上げ問題が長引き最終的に米国格付けが引き下げられドルや株価の下落を引き起こしたという経緯がまだ記憶に生々しく残ります。
今回も、もし合意に至らない様な状況に陥れば再び米国デフォルト問題が浮上しドル安の勢いが強まりかねません。
これら、世界的なリスクの高まりは更に投資マネーが豪ドルや南アランドといったリスク通貨などから逃避する動きを強める可能性があり注意が必要です。
そのような状況下では比較的安全といわれる円に資金が再び向かう可能性が考えられます。

今週は23日が日本の祝日、24日木曜日は米国感謝祭でNY市場が休場となります。
そのため、為替市場の流動性が低下し薄商いの中で一方向に動きが強まるのか、或いはまったく動きが止まってしまう可能性もあります。

いずれにしても、週後半はちょっとしたニュース等では思わぬ動きになる事もあり中途半端な損切りなどは避けた方がよさそうです。

ドル円の予想レンジ:77円30銭~76円30銭