FOMC声明ではリセッション回避のためオペレーション・ツイストを実施し保有する米国債の期間を長期化する事を表明しました。
4000億ドルの6~30年債券を購入する代わりに3年以内の債権を来年6月にかけて売却する事になりドルは全面高となりました。
このオペレーションは市場でほぼ100%近く織り込まれており、更に超過準備預金率の引き下げやQE3への言及も期待した向きもあったようです。
結果的にドルは失望買いが強まり発表前から買われていたユーロが特に売られました。
これにより、米国短期金利が上昇しドル円は金利差拡大から上昇したとのコメントもありましたが、確かにそれもありますが短期的なポジション調整の動きと観た方がよさそうです。
今の為替市場が金利差による動きが中心ならば豪ドルや南アランドなどはとっくに大幅上昇していなければなりません。
結果的にNYダウは283ドル下落し原油価格も前日から下げて終わり、それに対しドルインデックスは上昇しています。
これは、リスク回避の動きから安全と思われるドルへの資金シフトと考える事が出来ます。
同時に円もその対象として買いが強まる結果となりますが、ドルの渡合の方が今は高いということではないでしょうか。
米国も欧州も大きなリスクを抱えている事は同じですが、結局基軸通貨としてのドルがユーロに対して買われ易いという事になります。
ドル円はスイスの介入効果もあり76円付近に近づくと介入警戒感が高まる事からユーロ円の売りに比重がかかる動きもみられます。
取り敢えずQEの可能性を残した今回の声明で会った事から、今後も株価が下落する場面ではまた市場はその可能性を持ちだすことになりそうです。
全般に投機的な動きに縮小し流動性の低下が気になります。
米国から欧州ソブリンリスク問題が市場の視点が移りもう一段のユーロ売りドル買いの動きが始まるのか注目されます。