各国による円安メリット | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~

昨日もまた欧州や米国から利上げを示唆する発言が多く聞かれました。
米国側からはホーニング・カンザスシティー連銀総裁「際策金利はかなり短い期間に1%へ引き上げるべき」、ブラード・セントルイス連銀総裁は「日本や中東などの不確実性があってもFRBは出口戦略を開始しなければならない」などタカ派の意見が続きます。
欧州側ではシュタルクECB専務理事が「ECBによる政策金利は極めて低い」、ビニスマギ理事もECBは政策金利を段階的に引き上げる見通しを示しました。
双方とも金融緩和の出口戦略を本格的に模索し始めた事を市場へ強くメッセージを送り始めました。
一方、日本は大震災による景気低迷で金融緩和の長期観測が高まるなど、その金融政策には明らかに大きく差が広がります。
これは為替市場での協調介入と同時に行う事で円安に誘導する最も効果的な方法といえそうです。
金融政策と為替政策の両面で協調を行うという事は結果的にG7では本格的なドル高円安を容認したとみる事が出来るのかもしれません。
確かに、急激な円高がなくても欧州と米国の出口戦略は模索された可能性もありますが敢えてこれだけ強いメッセージを市場に送るという事はそれなりに今回の町長行動はメリットがあると考えてよいのではないでしょうか。
米国の景気は住宅関連を除いては着実に回復傾向を示しています。
欧州や英国では原油や食品価格の上昇などからインフレ傾向が続いている事から、インフレファイターの意識が強いだけに今回の利上げは必要不可欠とみていると思われます。
また、日本の震災で苦しい事に加えこれ以上円高は立ち直れなくなるほどのダメージを被ることになる可能性が高い事から、せっかく盛り上がってきた世界的な景気回復を押し下げる事になりかねません。
総合的な判断で今回の円高阻止の行動に出たと考えられます。
また、世界最大の債権国である日本が本格的に海外の資産を取り崩すことになれば特に米国にとってはダメージが大きくなります。
寧ろ、ここで日銀がドル買い介入を行えば米国債の購入が増加する事で米国の財政にとってはプラス面が多い事になります。
現在のドルインデックスは歴史的にみて最安値に近いレベルにあります。
また、ドル円も最安値を更新するなど、異様な円高ドル安のレベルからいよいよ転換の始まる条件が整ったと言えそうです。