クロス円上昇の要因は | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~

先週はクロス円を中心に買い戻しが強まりました。特に先週大きく下落したユーロやポンド、そして豪ドルやカナダなどの上昇が目立ちました。
買いのきっかけとなったのはリビア国内の混乱が収まり始めた事でした。
EUがカダフィ一族の資産を凍結し渡航禁止などの制裁を決めた事や、リビアの港から原油を積んだタンカーが出港したとの報道で原油価格が下落。
これらから、リスク回避の動きが後退した事でクロス円の買い戻しが活発になったと考えられます。
また、NY時間には1月個人消費支出が7カ月連続でプラスになった事でNY株式が上昇した事もクロス円の買いを後押ししました。

一方、米国の長期金利は前日とほぼ変わらず3.42%と横ばい状態となり、ドルは全般に上値の重い展開となりました。

ドル円も結局ドル安と円安の綱引きとなったものの先週と打って変わり円安の勢いが増してきています。
昨日は結局、今週発表予定の豪州RBA,カナダのBOC,欧州ECBの金融政策を前にリスク回避から売っていたポジションを買い戻しに入ったとみられます。
ポジションはまだショート気味であると見られ、今日も買い戻しが継続すると考えられます。


市場はこれら中銀の金融政策発表で利上げ期待が高まるとの見方が強まっている事から、期待はずれになった場合は再び売りが出ると見られます。
しかし、中期的な市場の見方は全般に利上げの可能性が高いとのコンセンサスがある事から、下げ幅は限定的とみてよさそうです。

また、週末には米国雇用統計の発表を控えているだけに、ポジションを大きく傾けにくいという事もあります。
その雇用統計では失業率は9.1%と前回の9.0%から上昇するとみられており、ドルにとってはネガティブ材料になります。
一方、非農業部門雇用者数は前回の3.6万人から19万人、民間部門も5万人から20万人に大幅に増加すると見られます。

市場がどちらの数字に反応するのかはその時の市場のセンチメントによって変化しそうです。
今の状況をみると、昨日のNYの株価上昇などをみると市場は米国の景気回復期待へと移り始めているように見えます。


今日の12時半にはRBAの政策発表がありますが、この動きがECBやBOCなどの動きの参考になりそうです。
また、海外ではバーナンキ議長の議会証言が金融政策に関して発言する予定ですが、これまでの緩和政策継続の意見を踏襲するのであればそれ程ドル売りに反応するとも思えません。


寧ろ、ISM製造業景況指数の数字を注目したいと思います。
前回の60.8を上回る61.0と予想され、長期金利の上昇のきっかけになるかもしれません。

また、この日は欧州でもCPIが発表され発表されるECBの政策の手がかりになるため注目です。