何が起こるか分からない時には | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~


先週はサウジアラビアが増産を行う事を発表した事で原油価格の上昇も一服感が出始め、NYダウも小幅上昇に転じました。
各市場が全般的に落ち着きを取り戻してきたものの、中東から北アフリカの混乱の行方は依然不透明感が漂います。
民主化の波は中国まで広がり始めていますが、民主化運動といってもミャンマーの様な軍事政権が支配する可能性もあり今後どのような展開をするか分からないというのが本音だと思います。


先週はそのような混乱の中でユーロや円、スイスなどに対しドルが弱含みで推移しました。
特にドル売りの材料があった訳ではなく、各通貨での要因でそれぞれが対ドルなどで買われたということでした。

スイスや円が買われたのは不透明感が高まったためと見られますが、ユーロは利上げ期待の高まりから買われました。
また、円高が進んだのはクロス円全般に売りが強まった事や米長期金利の低下なども理由の一つと考えられます。


今回は中東などの混乱により相場を引っ張っていく主役が特に見られないという事が特徴ともいえます。
それだからこそ、市場は最終的に米国の株や金融政策に戻らざるを得ないのかもしれません。


連休明けの先週の米国市場は経済指標などにそれ程関係なくNY株価が大きく下落する一方で米国債の買いが強まりました。
その動きも週末には大分落ち着きを取り戻すなか、今週は重要な米国経済指標の発表やイベントが続きます。
特に注目されるのは明日のバーナンキ議長の議会証言と週末の米雇用統計ではないでしょうか。
バーナンキ議長が今回の中東の混乱や原油価格の上昇などに対し、これまで以上に世界景気への見通しが悪化するとみればQE3の可能性を示さないとも限りません。
一方、雇用統計が前回に対し失業率が上昇し雇用者数が増加した時に市場はどのような反応を示すのか注目です。

また、ECBの政策金利発表後のトリシェ総裁の発言内容も同様に、原油や食品価格の上昇に対してどのような見解を示すのかも注目されます。
その結果次第で、週末のセンチメントの傾き動向によって雇用統計に対する反応も変わりそうです。

今週は何が起こるか分からない事から、意外にポジションのクローズは早くなりそうです。