エジプト全土に反政府デモが拡大し軍も出動するなど混乱が拡大。
チュニジアから始まりデモがエジプトに飛び火し、更に中東やアフリカ全域にこの混乱が拡大するとの懸念からドルやスイスフラン、そして円など安全通貨が買われました。
特に円が最も買われるなど、先週日本の格付けが引き下げられたばかりの通貨が買われるという何とも皮肉な結果となりました。
この報道によりNYダウは166ドル余り下落し、結局1万2千ドル台をキープ出来ずに週末を引けてしまいました。
また、下落していた金や原油が再び上昇し米国長期金利の利回りが低下するなど有事の際の動き一色となりました。
この日は米国第4四半期GDPの発表があり予想の3.5%を下回る3.2%となったものの、同時に発表された個人消費は予想の4%を上回る4.4%となり売り買いが交錯。
結局ドル円は前日の格下げで83円に上昇したものの、一日で82円に押し戻され往って来いとなり円高のしぶとさを感じさせるものでした。
有事というのはそれ程続くものではありませんが。今回の混乱は中東からアフリカ全域にまで発展する可能性が高そうです。
せっかく高まり始めた米国の景気回復や、欧州の財政危機の後退に水を差すことにもなりかねません。
そんな状況下、今週は多くの重要なイベントや指標が発表されます。
3日にはECBの理事会が開かれその後のトリシェ総裁の発言が注目されます。
同時に、この日はバーナンキ議長の記者会見が予定されこれまでの追加緩和の効果について説明する予定。
4日には最も注目の米雇用統計を控えます。
前回は期待の高さもあり予想を下回った事からドルが大きく売られました。
この前日にバーナンキ議長の記者会見で雇用に関し慎重な見方を再度示せば、数字が予想を上回るものであれば波乱要因となりそうです。
いずれにしても、今回の中東の混乱がある事から全般にポジションを偏り難くなったと考えられます。