ドイツのIfoが発表した1月の企業景況感指数が110.3と前月の109.8を上回った事でユーロ買いが強まりました。
これは91年の東西ドイツが統合して以来の高い水準ということからドイツの景気拡大期待の高まりがユーロを後押し。
少し市場は反応し過ぎの様にも見えますが、それだけ状況がユーロ買いに傾いていたためと思われます。
中国や日本、そしてロシアなどの欧州債購入の動きやECBの利上げ期待が背景にありました。
また、テクニカル的にも1.34ドル前半(フィボナッチや日足の一目雲の下限)、1.35ドル(週足の一目の上限)を超えたところでもありました。
先週はユーロ買いとドル買いの材料が交互に見られましたが、結果的にはユーロの上昇がドルを抑えてきました。
ただ、このユーロ上昇が本格的に始まったと考えるのはまだ尚早と思われます。
昨年後半に巻き起こったアイルランドの信用不安からユーロに対する不安が拡大。
更に、スペインやポルトガルなどへと不安が拡大しユーロが1.42ドルを高値に下落。
年初からも今後の入札に向けた資金調達への不安感の高まりを背景にユーロは1.28ドル台まで下落。
この下落も少しやり過ぎの観もありましたが、入札結果が無事に経過した事など不安が徐々に後退しユーロの買い戻しの動きが入ったと考えられます。
1.34ドル付近までの戻しは年初からの調整の戻しとみる事ができます。
この上の1.36ドルまではテクニカル的な動きから上値を試しに来たとみてよいでしょう。
1.36ドル付近というのは昨年11月に付けた高値1.4280ドルから年初の安値1.29ドルの50%戻しのレベルで、日足一目の雲の上限でもあります。
このレベルを超えていくと一時的に買いが強まり1.37ミドル付近(61.8%戻し)や、その上の1.4ドルという大台までの戻しも勢いがあれば十分視野に入ると思われます。
ただ、その辺までの上昇は本格的なユーロ買いというよりも一時的なテクニカルによる動きとみます。
今後もストレステストやスペインやポルトガルなどの財政不安を抱える国債入札が相次ぐ中で、爆弾を抱えての上昇には限界があるとみます。
これまでもオーバーシュート気味にユーロは動く場面がみられ、もう暫く上値を試す展開が継続するかもしれませんが、それ程長くは続かないとみます。
もし1.42ミドルを超えていくような動きであれば1.5ドルを目指して本格的に買いを入れたいと思います。