ドルは昨日思わぬ伏兵が現れて買い戻しの動きが強まりました。
ガイトナー財務長官が米国は強いドルに対する信認を保持すると発言。
ドルはアジア市場でショートカバーとみられる買いが強まり堅調な地合いで推移。
その後、20時過ぎに中国が1年物の貸し出しと預金の基準金利を0.25%引き上げる事を発表。
これまで中国は年内の利上げに否定的な発言をしてきただけに市場ではサプライズとして受け止められました。
これによりドルは更に買い戻しの動きが強まり、特に豪ドルなどが対ドルでの売りが加速。
先日最高値の1.0のパリティーをつけたレベルから0.9667ドルまで300ポイント以上下落するなど、中国の利上げは豪州にとって特に影響が強まるとの思惑が広がりました。
ドル円も一時82円に迫る81円90銭まで上昇しました。
ただ、ドル円の上昇過程では実需の売りが散見され、最終的に売り玉を吸収した分だけドルが余剰気味となり今日は上値の重い展開が予想されます。
ユーロドルは先日の1.41ミドルまで上昇後、高値圏での陰線が目先の天井を付けたか見極めようとする段階で今回の下げとなった事からユーロは弱気のセンチメントが広がったと考えられます。
目先は10月1日の安値1.36ドル付近(38.2%戻しは1.3580)を抜けるか試されそうです。
このレベルが下抜けすると半値戻しの1.34ドルまでの下落も視野に入りそうです。
ドルがここにきて俄かに買い戻しの動きが出始めたのは今週末に控えるG20を意識したものと考えられます。
米国は通貨安競争で各国からのドル安を誘導に対する批判をかわそうとする一環とも考えられます。
元々、米国は中国人民元の更なる上昇を進めようとしてドル安を容認する姿勢があったと思われます。
その中国への為替操作国としての指定を見送ったのはこの動きを前もって察知していたのかもしれません。
いずれにしても、少しここにきて風向きが変わり始めたのか、ドル安の動きに変化が見られます。
調整とみるのであればG20後に再びドル売りの動きが強まる可能性があります。
今日は昨日の下げに対する反動のドル売りの動きが朝から見られます。
戻しの動きが鈍くなれば再び戻し売りが強まりそうです。