欧州の好材料と米国悪材料 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

-~ 岡安式相場の読み方 ~


欧州にとって多くの好材料が見られる雲が徐々に晴れてきた一方で、米国の空は雲が厚くなり始めているようです。
欧州時間に発表されたドイツの7月失業率は2万人減の321万人と08年11月以来の低水準。
また、ユーロ圏7月の景況感指数が101.3とこちらも08年3月以来の高水準となった事でユーロは上昇。
ユーロ安が続いた事でドイツやフランスの輸出が好調なことが背景にありそうです。

一方で、米国では前日の耐久財受注やベージュブックで米国景気回復ペースの鈍化が指摘されたことや、昨日はカリフォルニア州の財政赤字を巡り非常事態宣言が出されました。
更に、ムーディーズは米国財政赤字見通しが顕著化すれば格付け見直しの可能性もあることを示すなど、米国にとってはアゲインストの風が強まります。

ユーロドルは1.3ドルにしっかりと乗せてきたことで強気のセンチメントが高まり始めているようです。
特にドルに対してはドルのネガティブ材料もありドル売りユーロ買いを仕掛けやすかったとみられます。
NYダウも短期間で上昇した反動からか二日続落し1万5百ドルを下回るなどやや買い疲れが見られました。


市場のセンチメントが変わる指標への反応も大分変化するものです。
為替も株式市場も流れに変化が見られる踊り場に位置しているようにみえます。
昨日の動きもその過程の中での一時的な動きかもしれません。
円も同様です。外貨準備の円の比率が高まるという見方が新聞でも見られましたが、突然起こったものではなく、欧州危機の時点から既にその動きは見られました。
この動きはここに来ていきなり起こったものでもなく、円高に向かったことからその記事が取り沙汰されたようです。
ただ、これらの記事が出ると輸出企業などは戻しを売る動きが強まることも確かで、目先は上値が重い展開が予想されます。

ドル円は86円前半、ユーロドルはもう一段の上値を試す展開が予想されますが、今日は月末で週末ということから試した後は再び調整が入るとみています。