中国は前日にFT紙が「中国、ユーロ圏国債の保有を再検討」との報道を「根拠がない」と否定。
また、クエート政府系ファンドのKIAも同じくユーロ圏へのエクスポージャー縮小計画を計画していると地元紙の報道を否定。
これにより前日大きく下落して終わったNYダウはオープニングから1万ドル台で始まり300ポイント余り上昇して終了
。リスク回避の動きが後退したことで円売りが進むなど1日で市場の雰囲気が一転。
原油価格もメキシコ湾原油流出事故の処理にも見通しが立ち始めたという話などもり大きく上昇。
これまでリスク回避の動きが目立った市場にも久しぶりに安心感が広がり始めたことで円売りが進みました。
特に資源国通貨の豪ドルやカナダドルに対し対円で買いが強まり大きく上昇。
ほぼ高値圏でNY市場を引けたことで東京市場でも買いが強まりそうです。
中国がユーロ圏投資の見直しを否定した事でここまで市場の雰囲気が変わるものでしょうか。
来週月曜日がメモリアルデーで英国と米国が祝日となるためポジションの巻き戻しが入った可能性がありますが、それだけではなさそうです。
欧州の不安定な動きが予想以上に深まり、米国株式市場や為替市場においても悲観的な見方が進み過ぎた観もあります。
実際、中国やクエートなどユーロの保有率の高い国がユーロを売りに出すとすれば為替市場だけではなく、各国の株価の下落から経済まで大きな影響を与えることになりかねません。
このような憶測記事が広がるということは、それだけ市場心理が悲観的に傾き過ぎて自滅しかねない状態にあるともいえます。
しかし、市場心理は何かの拍子で変わりやすいものです。
そうなると、現在のユーロや株価などは絶好の買い場という見方から買いが集中することも考えられないことはありません。
それこそ来週のメモリアルホリデーが入ることで市場の雰囲気が変わるかもしれません。
豪ドル円は先週の安値71円85銭から6円余り上昇し現在78円付近で推移。
来週市場が落ち着きを見せれば次第に買い遅れ観が広がる可能性もあります。
負のスパイラルから正のスパイラルに変わり始めるのか今後の市場のセンチメントに注目したいと思います。