噂や思惑が中心の相場が変わる時 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~


先週一週間の動きや材料を見直してみると如何に噂ベースの話が多かったことか。
同時に、その噂や思惑で市場が簡単に反応してしまったことにも驚かされます。
それだけ如何に市場の不安感が高いかを表すものだということでしょう。
この不安感が払拭されない限りリスク回避の動きは止まらないとみられます。

先週金曜日のNYダウは一時1万ドルを割り込み9918ドルまで下落。
この時点ではユーロの買い戻しの動きがみられたにも拘らずNYダウはオープン直後から大幅に下落。
一部のヘッジファンド破たんの噂が原因だったようですが、その後はゴールドマンサックスとSECが和解したという噂などで買いが強まりました。

全てこれらは噂の域を出ないものばかりではあるものの、噂の出る背景にはそれなりの要因が常にちらつきます。
ヘッジファンド破たんの噂も、EU理事会でヘッジファンドの規制法案が承認されたことや、米国金融規制法案への動きが強まるなかで出たものだと考えられます。
確かに、現実的に考えてもヘッジファンドの運用が規制されることで、リスク商品からの資金流出が強まることになります。
ドイツの空売り規制でもヘッジファンドなどの運用手段が今後限られることになり、運用利回りの低下から破たんするファンドが出るという思惑から出たものかも知れません。
前日にはユーロ介入の噂が流れたのも、連日スイス中銀がユーロスイスの介入を行ったことからECBが介入したという噂に発展したものと考えられます。
それらの噂は全く根拠がないわけではなく、このような噂で動く時というのは相場の見方が二つ混在しているためと考えられます。


ギリシャ財政問題から発した不安は同様に財政問題を抱えるPIIGSに伝染し、EUの歩調の乱れや金融不安からECB全体に発展しました。
そして、ユーロ自体の信認が低下したことでユーロ売りが止まらず、米国や中国、そして世界的にこの不安の連鎖が広がり始めました。
その目に見えない不安感の高まりが今回多くの噂の根本原因とも考えられないでしょうか


しかし、現実問題としてそんなに自体は深刻なのでしょうか。
ギリシャは国債の償還を迎えても資金はEUから滞りなく渡りました。
財政再建に関しても大規模デモなどがあり悲観的な見方が強まるものの、今後数年間の猶予があ与えられました。
先行きに対し、あまりに悲観的な見方が強すぎるようにも感じる今回の動きです。

米国の景気指標などは回復の兆候を示しておりギリシャ問題を除けば欧米や中国、そして日本も最悪期を脱し回復傾向にありました。
市場の心理が寧ろ市場や実体経済を悪化させているのかもしれません。
これらの悲観的な見方がどこで楽観的な見たかに変わるのか。
そのきっかけとなるのは何かを市場は探ることになりそうです。
市場のセンチメントは変わりやすいものです。

本日も12時半より週刊FX相場予報をオンラインでお送りします。