ユーロドルは昨日に引き続き格付け問題から今年最安値を更新。
前日S&Pがギリシャとポルトガルの格付けを引き下げ、昨日は更にスペインの格付けをAA+からAAへ引下げたことでユーロドルは1.3115まで下落。
しかし、他の格付け会社のムーディーズやフィッチは格下げに追随する動きをみせなかった事でユーロは1.32ドル台まで買い戻されました。
ドイツのギリシャへ支援が依然不透明な状況によりユーロへの不安が強まる中、昨日の欧州時間にはトリシェ総裁とドイツ政府と協議。
結果的にIMFのストロスカーン氏とメルケル独首相が支援策を確実に実施する事を明らかにしました。
これらからユーロの売りは一旦収まったものの、まだ現実に資金移動がスムーズに行われるまでは不安は残りそうです。
また、今回はムーディーズやフィッチが格下げを見送ったものの、ギリシャ国債の下落の影響がスペインやポルトガルに伝染し始めれば追随する可能性は高まりそうです。
ギリシャ問題に隠れて注目度が少し薄れたのか、昨日発表されたFOMC金融政策決定会合ではそれほど大きな動きはみられませんでした。
予想通り政策金利を0.0%‐0.25%に据え置かれ、注目の金利見通しにも変化が全く見られなかった事で一時ドル売りに反応する動きも見られました。
しかし、同時に低金利が継続されるという期待からNY株式は上昇し、リスク回避の動きが後退したことでクロス円の買いが強まりました。
特に資源国通貨のカナダドルや豪ドルに買いが集まり前日の下落をほぼ取り戻す所謂往って来い。
4月に入りこの似た動きがほぼ連日みられます
上値の重いという見方と、底固めの動きという見方が拮抗し、結局踊り場状態といえそうです。
次はどちらに放れていくのか悩ましいベルではあります。
<リーマンショックとリスク度合いの比較>
リーマンショックからは株価や金融不安はほぼ解消し、今は欧州のリスクが高まります。
このリスクの比較は簡単には出来ないかも知れませんが、サブプライム問題から始まり世界的な金融や経済的な影響度を考えると、今回のギリシャ問題は欧州市場に限定されたものと考えられます。
過去にブラジルやアルゼンチン、そしてメキシコなどデフォルト危機が何度か見られましたが、それらの影響は局部的な混乱で収まりました。
それを考えると今回の危機はユーロにとっては大きな危機ではあるものの、基軸通貨のドルが安泰であればそれ程大きな混乱は避けられるとみて良いかもしれません。
<本日の相場>
朝方ニュージーランドの金融政策発表があり、予想通り2.5%の政策金利は据え置かれました。
声明文では数カ月以内に利上げを示唆したことで瞬間的にNZドルが買われたものの、それもほぼ織り込まれていたことや具体的な時期が示されていないことから往って来い。
寧ろ利食いを誘因した事で上値の重い展開になりそうです。
ただ、東京市場は既に殆どの企業がゴールデンウイークに入り、動意の乏しい動きとなりそうです。
NY市場でも本日は特に目立った指標などはなく、あとはギリシャ関連の話が出ない限り昨日の上昇からの調整の動きが続くとみます。