「ユーロの悪材料とドルの好材料」 | 岡安のFXブログ レグザム・フォレックス

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-~ 岡安式相場の読み方 ~

先週に緊急時のギリシャ資金支援が決まったことでユーロへの懸念が遠のいたと思った矢先、再びユーロ売り材料が噴出。
昨日の売り材料を纏めてみると先ず、英国第4四半期GDPが上方修正されたことでユーロポンドの売りが強まりました。
また、フランス格下げの噂が流れユーロ売り。IMFがドイツの2010年2011年経済見通しを下方修正し、ドイツ経済は相当なダウンリスクがあるといった悲観的な見方を示しました。
極めつけはギリシャが実施した12年国債の入札。
10億ユーロの応募に対して3.9億ユーロ調達しただけとなり今後の資金調達への懸念が高まりました。
一方で米国経済の回復が目立ちました。
米国3月消費者信頼感指数が52.5と予想の51.0を上回り、その構成項目の雇用に関しても改善の兆しがみられました。
これにより今週発表予定の米雇用統計への期待が高まりドル買いが強まるなど、ユーロの悪材料とドルの好材料が同時に出たことでユーロ売りが強まりました。
結局、ユーロドルはギリシャ支援が決定した先週末のNY終値レベルである1.34ドル付近まで押し戻されました。
しかし、少しユーロに対して過敏に反応し過ぎているようにも感じます。
普段ではそれ程反応するとは思えない材料に対してもユーロ売りが見られました。
例えば、フランス格下げの噂やIMFのドイツに対する報告です。
フランスの格下げの噂はフィッチが見通しを安定的であることを明らかにしました。
IMFの報告でも通常これほど影響されることはなく、寧ろ最近発表されたドイツの経済指標では改善傾向がみられます。
ギリシャの12年国債が低調に終わったのも突然の入札ということが原因とも考えられます。
寧ろ、3.9億ユーロを調達できたという見方もできるのではないでしょうか。
明後日の米雇用統計も2月の大雪の反動など、一時的な改善という見方もできます。
勿論、ユーロを積極的に買う材料は見られないこともありますが、敢えて今年安値を超えてユーロを売る程の状況でもないと考えます。
暫くはユーロの方向を探る展開からレンジでの動きを予想します。

市場の注目はドル金利の動向と本邦機関投資家の外債投資の動向に移り始めているようです。
ドル金利は先週の不調に終わった入札もあり、金利差だけでドルを買うというのはまだ無理がありそうです。
ただ、現実ではドルと円の短期金利はドルが上回るなど先行きの金利差に目が向き始めていることからドル円の上昇は始まったばかりともいえそうです。
93円台をワンタッチして押し戻されましたが、その後もほぼ高値で推移。
93円台ではそれほど売りが見られなかったことから、上値を狙う準備を整えているようにみえます。
今日の東京はドル円が主役の日となりそうです。