ギリシャ問題で混迷が続くのに嫌気してユーロが軟調な地合いの時にポルトガルの格付け引き下げの報道。
不信感が充満していた状態での報道だけにユーロは1.34ドルを割り込むと、じりじりと下落が続き1.33ドル手前まで下落。
ドル円も同時に90円後半のストップを巻き込み91円台に乗せ、その後91円ミドルを抜けると殆ど戻しもなく92円ミドルまで上昇しました。
ドル円は2週間以上続いたレンジ相場からやっと抜け出したことで勢いが感じられました。
本日から始まるEU首脳会議を前にギリシャ問題に関するニュースがここ数日軒並み増えてきました。
当然市場をリードしているのはユーロということにはなります。
しかし、昨日の動きをみると主役はユーロというよりも、結果的に円主導で動いたようにみえます。
昨日、欧州市場の始まる17時過ぎに最初に動き出したのはポンド円でした。
その後17時20分にドル円は0円80銭のストップを付け91円台に乗せていきます。
この時ユーロドルはユーロ円の買いに押され一瞬上昇に転じた後に下落が始まりました。
最初に火をつけたのはポンドということになりますが、その後はユーロ円も含めクロス円が全面高となりました。
結果的に最も目立った動きをみせたひとつが円安でした。
最初に円売りを見せたのは本邦機関投資ではないかという話が聞かれましたが、その可能性は否定できません。
しかし、そのような話が出てくるような状況こそ、そろそろドル円の動きが活発になるサインなのかもしれません。
これまでの投資家のリスクに対する見方に変化が出てきたと考えることもできます。
ここ数年、サブプライム問題から波及したリーマンショックなどにより機関投資家は外債投資には消極的な姿勢が見られました。
しかし、昨年3月からNYダウの上昇が始まりちょうど1年。
そのNYダウはリーマンショック以前のレベルを超えてきたことで、それらのリスクはほぼ終了とみることもできます。
それに対し、ドバイショックやギリシャ問題はこれまでの世界レベルでのリスクとは異なり、個別の通貨問題と考えられます。
その観点からすれば、そろそろ通貨選別の動きが始まってもおかしくはありません。
昨日の円安の動きは、そろそろ円キャリーの動きが始まるサインとみるのは時期尚早でしょうか。