『Symbol of The Dragon』 は「戦いの歌」であり「叫び」だと KAMIJO サンは言った。
どんな曲になるのかと、楽しみでリリースが待ち遠しかった。
ポスターとトレーラーが解禁になったとき「ここが墓場だワーテルロー」に、ナポレオン最後の戦場を選んだのは何故? 敗戦から何が生まれるの?
そんな気持ちがずっとあった。
-死神が止めた旋律の風 -
歌いだしの歌詞に瞬時にストーリーの世界に誘われていった。
中盤まで史実のナポレオンの様子が浮かんでくる。
彼はどんな時も「士気を高めることを忘れなかった」とナポレオンの末裔が言っていたような姿がそこにはあった。
けれど、勝利の行進を続けていたナポレオンではなく、勝算が見込めない戦いだと感じていたかもしれないナポレオンの姿を歌詞に感じた。
- 昨夜の豪雨が裏切ったのか?-
ナポレオンがワーテルロー戦場へ出発するのが遅れたのは、前日からの雨に地面がぬかるんでいたため騎兵・砲兵の移動が困難になり、これが大きな敗因と言われている。
この史実を、短い表現で歌詞に入れてくるなんて!
(KAMIJO サン!)
ため息が出た。
そこからは聴こえてくる歌詞に史実のナポレオンが重なり、士気を高めながら進軍するも結果は芳しくなく、それでも歩みを止めることがなかったナポレオンも、ついに味方によってその歩みを止められ・・・・敗戦へと向かう
この史実が、
-傷を癒す悪魔が寄越す使い 膝は私を支えるのを辞めた -
この歌詞にかかっているのではないかと勝手に解釈している。
ワーテルローの戦いの敗因が「if, Story」 で展開されている歌詞に思わず「ナポレオンが生きている!」そんな風に感じて嬉しくて身震いしたのを覚えている。
(すごいな、KAMIJO サン✨)
後半の歌詞には私が抱いていた疑問、ナポレオンが最後の戦いで負けた「ワーテルローの戦い」をKAMIJO サンがこの曲の題材に選んだ答えがあった。
- 負けを演じて引き下がるのは 未来の王にこの玉座を渡すため -
一度は失脚したナポレオンが再び皇帝の座に返り咲いたのも、最後の戦いで負けたのも、すべては、ルイ17世に玉座を渡すためだった。
そう来ますか!!
(やっぱり、すごいわ、KAMIJO サン✨)
ここが墓場だワーテルロー
叫び青き血に染まれ
この声は龍の息吹 時を越え
赤き血へ託す系譜 さぁ嵐を呼べ
KAMIJO サンの歌い終わりの感情も「f (フォルテ)」
そのあとに続く 9小節目からの4小節は音がどんどん膨らんでいく、そして最後は「ff(フォルテシモ)」で終わる。
それがナポレオンの「叫び」のような気がして、曲の中で1番鳥肌が立った箇所。
KAMIJO サンが書く「if, Story」の脚本から、楽曲が生まれる。
聴くときに、史実を歌詞の中で体感できる世界を持つアーティストと初めて出会った。
私の興味は増すばかり・・・
<あとがき>
戦場となったワーテルローにはピラミッドの形をした「ライオンの丘」と呼ばれる丘がある。
ライオンの像は今でもフランスの方向を見て、にらみをきかせているとも言われている。
私には『Sang』 の世界に描かれていた、ピラミッドで眠っているルイ17世と対面したときにサンジェルマン伯爵と誓約を交わしたとされるナポレオンの魂が、このライオンに宿り「時がくるまでルイ17世を見守っている」そのように思えてしかたがない。
そして、『闇夜のライオン』はこの丘から生まれているというのが、私の「Another Story」🌹