これには気を付けて


画家という作家の端くれなので、たまに小林秀雄風に頑固者のように書いてみます。


私は第一次アニメブームの頃のアニメマニアで、中学を卒業する頃までは毎日たくさんのアニメを観ていたものです。


当時、『ヤマト派』と『富野派』がいて、それを軸にアニメブームが成立していたようなものでしたが、私が富野作品を観なくなったのは『エルガイム』からでした。


一番の理由は『エルガイム』がもろに女子高生向け商売だったからです。


『エルガイム』の第1話を観れば、ターゲットは明らかに女子高生なのが分かります。


元々富野作品には『ザブングル』にもエルチ・カーゴとラグ・ウラロとか、女子高生向けサービスみたいなところはあったのですが、特に『イデオン』で湖川友謙氏の半ば『ゴルゴ13』風の男臭さに没頭していた私には、『エルガイム』の女子高生趣味はもう観なくていいな、と興味が失せ、『エルガイム』も途中から観なくなりました。


富野作品以外にも『マクロス』のような女子高生趣味はありましたが、もちろん私は『マクロス』にも夢中になりませんでしたし、その頃高橋良輔の『ボトムズ』などや『北斗の拳』がありましたし、そちらに逸れて、あとは古本で買った雁屋哲の『男組』を熟読したり、幼い頃から読んでいた『空手バカ一代』を読み続けたり、働き始めてからも池上遼一の男臭い劇画を昼休みの近所の中華屋に置いてある『スペリオール』で読んだりしてたものです。


その当時も今も、私は無名みたいなものですが、しかし私の趣味に基づく変転に合わせたようにアニメブーム自宅も下降線をたどったように落ちていきましたし、何兆円産業とはいえ、かつてのアニメブームのような熱気が復活した事もありません。


『ヤマト』も昔から女子高生向けでしたが、要するに女子高生をターゲットにしたら、もうその創作の軸は終わるようなものということです。


アニメに限らず、54年の人生で何度も女子高生をターゲットにしたプロモーションが最終的に失敗に終わるのを何度もみてきましたが、女子高生向けのアニメのプロモーションやマンガのプロモーションは、ちょっと「但し書き」がつくものだと思ってます。


私は今はクリスチャンになりましたが、画風は変わらず劇画から発展した古典主義。


特別女子高生受けしようと画風を変えたこともありませんし、また持ち込みした出版社のベテラン編集さんに受けたアドバイスも「君の絵は80年代風だが、君は雑誌に合わせて絵を変えてはダメだよ。君の絵に合う雑誌の方を君が選びなさい」というものでした。


なので、私個人は依頼が高校生が観るようなYouTube漫画のキャラデザインでお願いしますという時以外は、自分の絵柄を変えたこともありませんし、これからも一生絵柄は変えないでしょうね。










 

 

 

 

 

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