心の傷‥
人間に生まれた以上、
傷つくという現象に直面しない事はないはずだ。
人間は強いと思う時もあるが、
大抵、脆く、弱く、儚い生き物。
外傷のような目に見えるものは、皆に同情やらをされ、
気が楽になったりする事もあるかもしれない。
しかし、目に見えない傷、心の傷というものは、
当事者にしか分からない。
周りの皆がいくら励ましの言葉を並べたとしても、
当事者であるものが、その事実と向かい合い、
その傷口を消す覚悟で望まなければ、癒える事はない。
消す覚悟を当事者が持つ為には、何よりも、時間がかかる。
記憶という人間独自の脳の働きによって、
傷口は簡単に開いてしまうからだ。
時間の経過と相反して、記憶は薄れていくものだが、
記憶というものは厄介なもので、
しつこいくらいにまとわり付いてくる時がある。
その時が、一番厄介なのだ。
大抵、それは一人でいる時にやってくる。
群れを成している時にはじっと佇んでいて、
群れから離れた時を狙う、ハイエナのように‥。
だから俺は、美紀の傍にずっといる事で、
救おうとしていたんだ‥。