「骨髄移植だと‥?そんな話、俺には何も話していなかったぞ!?」
「やれやれ、アンタは本当に自分の事しか見えてない奴だな。なぜお前に
話さなかったのか、察しがつくだろう?
お前に迷惑を掛けたくなかったからに決まってるじゃないか」
「‥」
父親はすっかり意気消沈している。そこでワイスは健二の方を見た。
「健二君は知っていたかい?」
「いえ、知りませんでした‥。
でも美紀さんを救いたかったという気持ちは十分に伝わりました‥」
しばらく沈黙が続き、三人は目的地に到着した。
「ここは‥病院‥ですか?」
「病院‥いや、正確に言うと、研究室だな」
三人は中に通された。受付に一人女性が立っていたが
まるで気配が感じられない。一体ここは何なのだろうか。
エレベーターで地下3階に降りていく。
「少しは察しがついてるかもしれないが、研究対象は人間だ」
「治験という事ですか?」
「いや、そういう事ではないな。ここで研究対象になる人間は一つの
条件を満たさなければならない」
「それは何ですか?」
「余命が宣告された人間だ‥」
エレベーターの扉が開く。
それと共に三人の前に二人の人間が立ちはだかる。
美紀の母親と
藤間翔平だ。