会社の上司のお子さんは、ダウン症なのですが、

今日、ダウン症児童を持つ親御さんの会に出席してきたそうです。

高校を卒業して、社会に出ているダウン症のお子さんを持つ

お母さんが、まだ幼い子供を持つ親御さんたちに、子育てや

学校などのことで話しをしてくれたそうです。


その話の中で、そのお母さんが会の皆さんに話された言葉で、

上司が一番辛かったのは、子供と同じだけ生きられないという

現実の話だったそうです。

ダウン症のお子さんを持つ親御さんの一番の悩みは、そうした

残していく我が子の行く末なのです。

自分たちが元気なうちはいいけど、高齢となった時や、いずれ

旅立つことになった時にどうすればいいのかは、答えの出ない

大きな悩みだと思います。


上司も、そうした現実的な話を聞くことで、これまである程度

覚悟はしていたけど、やはり辛い現実に押し潰されそうだと

話してくれました。

上司は、男として、夫として、父親として、自分が一番しっかり

しなくてはいけないとか、自分が落ち込んでいる場合では

無いとか、奥さんと子供を支えなければと過剰に思い込んで

しまっていました。


同じ子供を持つ父親として、そんな上司の気持ちはよく分かり

ます。

けど、上司が一人で全てを背負い込んでしまえば、いつか

上司が潰れてしまいかねません。


上司のお子さんは、まだ1歳になったばかりです。

上司も遅い時期での結婚でしたので、やはりこの子が成人

した時に自分は何歳になっているのかを、計算して落ち込んで

しまうのです。

上司のお子さんが二十歳になった時、上司は定年を迎えます。

そうした否応なしに訪れるであろう未来ばかりが、上司を

苦しめるのです。


僕はそんな上司の言葉を、じっと最後までただ聞く事に

徹しました。

上司の今の苦しみに少しでも寄り添うように、聞きました。

意見することなく、諭すことなく、ただただ聞くだけです。

普段、奥さんとのやり取りで学んできたことを、実践しました。


上司の奥さんは、思い詰めるタイプの人なので、上司自身も

奥さんの心のケアには、いつも慎重です。

常に子供と接しているだけに、母親だけに、男には分からない

苦悩も多いと思います。

でも、上司は常に奥さんに寄り添いながら、支えています。


僕と話しながら、涙をぐっと堪えていた上司の顔を見ていると、

僕自身も涙を堪えるのに必死でした。

辛くとも、今事実として起きていることに向き合うという事は

簡単なことでは無いということ、第三者には分からない、

大きな苦しみがあるのだと知りました。

そして、そうした人達には、一般論での励ましや、スピリチュアル的

な言葉では片付けられないという思いです。


今の僕に出来ることは、上司の弱音や泣き言、苦しみなどそのままの

上司を吐き出せる事ができる存在であるという事だけです。