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鬼~トッケビ~

3話ー②「見えない物」

 

 ウンタクの叔母家族が欲に駆られて問題を起こしていた頃

死神は仕事中だった。

今日は病院。たくさんの同僚、後輩たちと一緒にいた。

 

 

 

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そこへ後輩が現れて

「先輩、社内メール見てないでしょう?

処理漏れチーム担当が出来たんですよ。」

処理漏れとはすなわち、ウンタクの事。そして。

今年入ったばかりの新人が挨拶に。

「23期のキム使者と申します~。」

かなりの美人だが、彼女はこれから絡んでくる人物でもある。

 

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「仕事だ。」

 

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そう言って死神は静かに立ち上がった。

 

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救急救命室は大わらわだ。

「早く、手術室は?早くしないと。」

そう言った医師が振り向くと…

 

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死神と目が合った。

「チェ・ヨンジェ氏。年齢33歳…。死因は過労死。」

死神がが見えるということは紛れもなく死んだ。と言う事だ。

「僕は…死んだんですか?」

 

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「あなたのお陰でその患者は命をとりとめました。」

「…そうですか。良かった。」

人のために生き、人の命を救う医者も

命の前では平等だ。

人は限りある命を生きる。それだけは平等だ。

死神はその道を指し示す水先案内人…。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

ウンタクはと言えば…

ボーっとしていた。文字通り、ボーっとだ。

いつの間にか心に大きな住処を作っていた鬼のおじさん。

自分は花嫁だと信じていたのに違うという事実。

そうでなければ、自分には無価値で用はない。

容赦なく言われた一言が胸に刺さるが…

外国に行ってしまう人を

思っていてもしょうがない。

そう思っているのだが…なんとなく。ボーっとしてしまう。

 

 

ここにも一人…。

やる気なくボーっとしている人物がいた。

 

 

「顔も見たくないからもう、思ったり火を消して

呼んだりしないから。」

そう、言われて…何も言えなかったシン。

確かに、花嫁なら見えるはずの胸に刺さったまんまの剣が

見えないという彼女をどうすることも出来ない…。

だから、ボーっとするしかないのだ。

別々の場所で同じ時を刻むー。

 

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いつか2人がシンクロする日があるのだろうか…

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

ある日ウンタクは、ある本屋にいた。

依然来た時に、栞を挟んだままにしていたのを思い出したのだ。

栞はただの栞ではなかった。

カナダでシンが落ちてきた葉を空でつかんだ。

その、落ち葉だ。

あれ?確かにここらへんだったんだけどな…?」

そこへ何やら揉めている声が

「ですからお客様。領収書がないと返品は…」

「僕が買いたかったのは絵本です。

誰かの思い出じゃない。」

 

 

見ると、若い男がレジでもめていた。

その男が手にしていた物こそ、ウンタクが探していた物。

「私が買います。その葉、私のなので」

「…証拠は?どこの葉っぱか当ててみて。」

なんだか偉そうに言う男。

「…私が答えても、正解かどうか分からないでしょう?」

「…はい。正解。」

その主は…ドクファだった。

 

 

「それはそうと…絵本なんて読む歳か?」

「いや、これは調査の為で…って。あなたこそなんで絵本を?」

 

 

「鬼が知り合いで…。」

「えっ!」

 

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「なんで?鬼の知り合いは位誰にでもいるだろ。」

「(!!!!)そうなんですか?」

「そうなんですか?って。人を簡単に信じるなよ。」

 

 

 

こうしてドクファとウンタクは顔見知りになったが

それにしても、なぜドクファは頼まれもしないのに

書店にいたのだろう?

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

ある日ウンタクはサニーに

「スルメを焼いて」と言われて外でスルメを

焼いていた。ところが、考え事をしていてうっかり

焦げてスルメに火が着いてしまって…

負荷効力でフゥー。と、吹き消してしまった。

その事に気づいてももう、遅い。

 

 

「違う違う!!今のは違うの!」

と、言っても。

振り向くと、シンがいた。

「今のは、間違い。スルメの足が燃えたから

消しただけなの。…まだここにいらっしゃったんですか?」

「おぅ。荷造りしてたんだ。」
 

 

「1つ、気になってて。聞きたいことがあるの」

「なんだ?」

「何かが見える人を探してるって話よ。

一体、何が見えたら私は無価値ではなくなるの?」

 

 

「もし教えたら?」

「…見えても見えないっていうわ。急に優しくなって

500万くれたり焼肉を奢られても困るもん。

おじさんは私のタイプじゃないもん。

…すっごく、疲れるから。」

 

 

 

「そんな事初めて言われたよ。一体どこ見てるんだ?」

「答えなくてもいいけど。」

「…なんか、見えないか?変わったものが見えないか?

痛そうなものとか。」

「…あぁ。それ?それの事だったの…。」

「見えるのか?何か欲しい物は?

焼肉食べに行こうか?」

すっかり、ウンタクのペースになっていた。

 

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

焼肉をおごる羽目になったシン。

満足そうなウンタク。

(本当に見えるのか?)疑い深い目をするシン。

見える物について何も言わないウンタクに少し焦れる。

「本当は見えないんだろ?」

「もしかして、今私に怒ってる?」

「…?そう聞こえたか?食後にジュースでも?

と、思って聞こうかと。」

見透かされて取り繕うシン。

 


 

お腹がいっぱいだと言いながらLサイズを

ちゃっかり注文するウンタク。

そこに思いがけない人?に遭遇。

 

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「もしかして、私。ワナにはめられてここに

連れて来られたの?」

死神を見るとすぐ、自分の迎えだと思ってしまう。

「違う。俺はお前の味方だ。」そう言って

ウンタクに暗示を与えようとする死神。

(お前は剣が見える…剣が見える…)

死神にとって目の上の瘤である鬼には

早く、あの世へ行ってもらいたい。

それが、死神の本音だ。

仕事の呼び出しに

「じゃ。」と、一言言って立ち去る死神。

「なんで、死神が私の味方なの?」

不思議に思うウンタクだった。

 

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色づき始めた葉の絨毯を踏みしめながら

そぞろ歩く。

秋の日差しが心地よさそうだ。

ウンタクが

「私の人生が不幸なのは前世の行いが

悪かったせいかな?

鬼の花嫁に生まれたのは罰なの?」

 

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「君が前世でどんな人だったのか分からないし

君は花嫁でもない。」

 

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「引っかからないか…。

でも、本当はこの人生、気に入ってるの。

ママに愛されたし、おじさんと会えたことも幸せ。」

純粋にいう姿に何も言えないシン。

「あ。過去形だった。幸せだった。」

「…まだ、見えるかどうか聞いていない。」

その言葉を無視するウンタク。

「帰ります。さよなら。」

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と、突然歩みを止めてゆっくり振り向いたウンタク。

 

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なにか言いたげな表情でシンを見つめる。

 

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3話ー③に続く…