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鬼~トッケビ~

第2話ー②「美女・SUNNY登場」

 

ある日。

チキン屋さんの前で張り紙を凝視するウンタクが。

 

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【アルバイト募集】

そう書いてある張り紙だった。

当然、探し求めていたアルバイト。ウンタクは店に入って行った。

そこには…

 

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驚くほどの美貌の女社長、サニーがいた。

「バイトの張り紙を見て来たんですけども…」

 

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「社長さんはいらっしゃいますか…?」

「社長は私。高校生?」

「はい。…社長さんでしたか。」

 

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面接という感じのしないままに席に座る。

「何か、聞きたいことありませんか…?

私は9歳の時に母を亡くしてから、身寄りがなく…。」

「貧乏なの?」

唐突な質問に言葉が詰まる。

「…えぇ比較的。」

「学校は?行ってないの?」

「いえ、高3なので…」

「今日は、何か用事ある?」

「いえ。何も。」

「じゃ、今日から仕事ね!」

 

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こんな、短い会話でバイトが決まったウンタク。

ずっと、断られていたから喜びも一塩だろう。

それにしても、少し変わったところある社長だった…。

 

バイトが終わったその日の夜。

 

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嬉しそうに名札を見ながらシンに念を送る。

「おじさん、聞こえる?」

そう呟いて周りを見回す。

…。シンは来ない。

「何よ。考えても来ないじゃない。」

考えただけでも敏感だから、呼ばれる。

と、言ってたのに。

仕方なく、マッチを擦る。

 

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「おじさん、ついにバイトが決まったの!!」

満面の笑みで振り返ったウンタクが目にしたものは…

 

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ステーキ好きのシンがまさに

ステーキを食べる所だった…。

 

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「良い物食べてる…

500万はケチるのに。」

「少しは約束して会うっていう考えはないのか?

少しは私の事も考えろ。」

「考えても来なかったじゃない。

あ!将来を約束する気はあるわ。

…愛してる。」

 

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不敵な笑みを浮かべるウンタクに

あきれて帰るシンだった。

 

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ここは死神の部屋。

彼は職業柄か…潔癖症の所がある。

今夜も、一糸乱れぬ様にピンッと張った

シーツに身を沈める所だ。…が。

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「これでどうだ?」

部屋に突然現れたキム・シンに眠りを妨げられる。

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「なんで…??着替えを?」

「この本はどうだ?

いつ呼び出されてもいいようにしたいんだ。」

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「真剣に考えてくれ。

私が発つときの服装だと思って…」

あきれ顔の死神相手に何度も部屋に来ては

「音楽ならレコードか?CDか?

うん、音楽は何でも聞く設定だ。」

「今時はみんな、ダウンロードだ。」

「絵ならどっちだ?絵も雑食って設定なんだ。」

大きいキャンパスを2枚も持ってきたリと、

人の迷惑も顧みず。

要するにウンタクに呼ばれた時

ステーキではなく、もっとカッコよくしていたい。

そういう事らしい。

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面倒になり、布団をかぶって反応しないことを

決めた死神。けれど、シンはそれで終わらなかった。

 

朝、死神が目覚めると…

変なものを被せられていた。

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しかも。布団まで派手なものに変わっている…。

 

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悪戯をして満足そうなシンだった。

 

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鬼と死神は

子供みたいに些細なことで

ケンカをしたり、いたずらをしたリされたりと

仲が悪いようでいて実は仲が良いのを

本人たちは気づいていない。

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ある日、家に呼ばれたドクファ。

なにやら、いつもと様子が違う。

「おじさん、大丈夫?

どうしたことか城北洞(ソンブクドン)だけ大雨だ!」

「ドクファ。お前に話がある…。」

「おぅ。なんだよ。話?そうか言ってみなよ。

嫌なことでもあった?」

「お前に伝えねばならぬのだ…。

お前の一族の秘密と

私の悲劇的な運命の話だ…。

驚くでないぞ。

実は…私は…。」

「…鬼だって話?違う?別の話?」

 

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ドクファの予想外の言葉に、驚きを隠せない。

「いつ気づいたんだ?」

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「8歳。でも、6歳くらいから疑ってた。

…酔うと良く、金塊出して自慢してただろ?」

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「ぼくにくれるの?」

「あげないよ~ん。」

「…それで、親戚じゃないと確信した。

って、ほらほら。今もそんな感じだろ?」

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ドクファの目の前で宙に浮く、シン。

今更、驚きもしないドクファだ。

「…ということは。お前は8歳の時に

私の正体を知っていた。と?」

「うん。」

「私が『鬼』だと知りながら、ずっとタメ口で

話していた。と?」

「うん。…いいえ…(^▽^;)」

途端に、京畿道一体に大雨注意報が出された。

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鬼は昔から雷神としても登場するが

ここでいう鬼も天候、主に雨をつかさどるようだ。

シンの機嫌が悪い=雨

今回は雷に大雨洪水まで付け足されて

ドクファはどれほど、シンの怒りを買ったのか…?

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

とある日。

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手をバタバタ、足をブラブラ。

何やら、落ち着かない様子の鬼、キム・シン。

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知的な本を膝に抱えて…。

sei いつ、呼び出されてもいいように?

その、準備を?

…ところが。待てど暮らせど呼び出される気配もない。

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死神は黒い帽子(死神専用の帽子)をクリーン二ング屋へ

出しに行っていない。

しびれを切らしたシンは、どこかへと行ってしまった。

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

一方、シンが待ってるとも知らないウンタクは

図書館で亡霊の友達と話している。

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カナダで拾った落ち葉、正確にはシンが拾った落ち葉を

ラミネートしている所。

お金がない中で、ささやかでも旅の記念と

バイトが見つかった事への感謝を込めて

お礼したいウンタクだった。

「気があるって勘違いされない?」

「大丈夫。私の存在すら否定してたから(笑)」

出来上がったモミジの栞。

早速、シンを呼ぼうと

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マッチを擦って、火を消した…。

…ふと、横に人の気配を感じて顔を向けると。

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そこには。ウンタクが見てはいけない者が立っていた…。

「あ。マフラーが。マフラーを忘れちゃった。

取ってこなきゃ。」

「…やはり俺の事が見えるようだな。

10年前と言ってることが同じだぞ。」

10年前、母のヨニが亡くなった日。

どこからともなく現れた死神。その時もあまりの

恐ろしさに目も合わせられなかった。

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でも。今は違う。

「…わ、わたしに、なんか用なの?」

「引っ越したのか?お陰で探すのに10年かかった。」

「名簿に名前が無いのに、どうしようっていうの?」

「漏れていただけだ。19年分の存在証明が出来れば…」

「私は死ぬの?まだ、19歳なのに?」

「19歳でも9歳でも関係ない。それが死だ。

…ところで。今回は誰と一緒にいるんだ?」

そう言われて、振りむくとそこには…

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シンがいた。

咄嗟に、ウンタクが目を塞ぐ

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「目を合わせちゃだめよ。あの人は死神なの!!」

 

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その必死な姿に何かを感じたシン。

優しく手をどけようと…

「やめて。見ちゃダメ。」

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「大丈夫だ。知り合いだ。」

そう言って、ウンタクを自分の方へ引き寄せると

死神に向かって

「仕事中か?」

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「そうだが…。お前は何を?」

「人の生き死にに関与してるところだ。」

「…それは、掟破りだろ?

その子は19年前に…」

そう言った途端、頭上で雷鳴が響いた。

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「説明は求めていない。」

(鬼の言葉を聞き流すなら、お前の生死にも

関与することになる。)

にらみ合いを続ける鬼と死神。

たまらなくなったウンタクは

「とりあえず、逃げよう!!」

と急かしたが…

「逃げなくていい。どうせ手出しはできない。

…鬼と結婚すると言ってる子だ。

ここに、鬼もいる。」

その時のウンタクの衝撃は計り知れない。

「それじゃ、その子が…。」

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「そうよ!私が鬼の花嫁よ。

それでも私を連れて行くつもりですか?」

そう言われた死神。怯んだわけではないが

一端、ここは剣を収めた方が良さそうだと判断したようだ。

「また、会おう。」

そう、言い残して消えた。

「………」

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「…言いたいことがあるなら、言え。」

「…ほら。やっぱり鬼じゃない。

そうだと思った。

なんで、ウソ言ったの?」

「…二度と会わないと思っていた。

まさか、扉を開けて着いてくるとは。」

「次に会った時も否定したでしょ?」

「訂正不要だと思った。

どっちみち、今までもこの先も君は

鬼の花嫁ではないから。」

 

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「じゃ、私は何なの?

幽霊が見えたり、付きまとわれたり、いたずらされたり。

私はこうやって生きてるのに

死神は『生きるな』って。私は、どうしたらいい?」

「…言ったはずだ。おまけで得た人生に感謝して生きろと。」

「ひどい。ひどすぎる…

あれでしょ?ホントは違う理由なんでしょ?

私が…ブサイクだから?

…ボンキュッボンッじゃないから?」

ウンタクは必死だ。

「可愛いよ。」

「へ?」

「お前は、可愛い。

…私は900年以上もの長い間、ある物が見える人を探してきた。

…だが、それが君には見えない。

それが見えるのは鬼の花嫁だけだから。

だから、無価値だと言った。」

「…それも傷つくし。」

「傷つかなくていい。むしろ、良いことだ。

ある物が見えたら君は僕を恨むだろう。

もうじき私は韓国を去る。

もう、私を呼びだすな。」

「…どこに行くの?」

そう、問われたシンは何も言えない。

同じ理由だから。見えないのならこれ以上、関りを

持たない方がいい。

「いや、答えなくていいです。

一つも気にならないし。どこで何しようと。

鬼ってこんな姿だったんだ~って、思ってただけ。」

寂しくなって腹が立ったウンタクは勢いよくその場を離れたが

ふと、寂しくなって振り返った背後の景色には

もうシンの姿はなかった…。