↑第1話ー1~3も合わせて読むとよりわかります。

 

鬼~トッケビ~

第1話ー4 「鬼の花嫁の謎」




教会の礼拝堂。厳かな雰囲気に包まれた
ミサ。…ウンタクはそこにいた。
もしかしたら…?
ミサが終わり誰もいない礼拝堂で
ウンタクは、燭台のろうそくに火を付け…

 

 

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そっと、吹き消した…

 

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静かに立ち上る煙。

何かを、待つウンタク。

すると…

 

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コツコツ…。靴の音がして

 

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花が咲いたように笑うウンタクの視線の先には

「もっと場所を考えて、呼べよ。」

不機嫌そうなシンの顔が。

 

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…。確かに気まずいのかもしれない。

そんなシンの事などお構いなしの

ウンタクは

「優しい神様だから大丈夫よ。」

「神様なんて、いないんじゃなかったのか?」

「だからよ。探しに来たの。

…そんな事より、呼び出し方が分かったの!!」

と嬉しそうだ。

 

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「願い事が一つもかなってないわ。」

そう抗議するウンタクに

「アルバイトはすぐに決まる。」

「彼氏は??」

 

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「自分も努力しろ。」

そう言って、なおさら不機嫌そうに出て行った。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

「私に冷たくしたってダメなんだから!」

 

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「いつだってどこへだって、呼びつけちゃうんだから。」

シンの呼び出し方法が分かって

確実にシンを呼び出せるようになっていた。

スマホの画面のろうそくの火を消しても…

 

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やっぱり、呼び出されたシン。

「まさか来るとは!」

「だったら、呼ぶな!」

またも、不機嫌なシン。とっとと戻そうと踵を返すシン。

行かれちゃ困るウンタクは

思わず、シンの腕を掴む。

 

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その掴まれた腕から青い炎が。

 

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「…熱っ‼もう無理~。」

 

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「青いほうが高温なんだ。少しは勉強しろ。」

また、そそくさと去ろうとしているシンに

「てっとり早く、500万ウォン頂戴!」

そういうウンタクに

「明日法事があって今、忙しいんだ。」

見ると、黒の正装をしているシン。

「前の日から行くの?」

「いつ戻ってくるの?」

「訊きたいことがあったのに。」

矢継ぎ早に言うウンタクにイライラしたシンは

「何だ?早く言え。」

 

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そう言われたウンタクは少し神妙な面持ちで

「変な質問なんだけど、誤解せずに聞いてね。」

 

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「分かったから、言ってみろ。」

 

 

「…最初。おじさんの事を死神かと。

でも、私を連れて行かなかったでしょ?

次は、幽霊かな~?って思ったけど…

だけど、おじさん。影があるし。

だから、考えたの。」

 

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「それで?答えは?」

 

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「…鬼よ。」

ずばり言い当てられて、思わず固まったシン。

「おじさん、もしかして…鬼じゃない?」

「お、お前こそ何者なんだ。」

たじろぐしているシンだった。

 

 

「私?私。鬼の花嫁なの。」

唐突に言った一言のインパクト。

900年、願っていた花嫁。

思わぬ花嫁宣言に言葉を失う。

「私に霊感あるのは知ってるでしょ?それで…」

いきなり体勢を変えたウンタク。

 

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首の後ろのアザを見せて…

「幽霊たちが、これを見て『鬼の花嫁』だって言うの。」

 

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覗き込んでアザを見たシンの記憶が蘇る。

あの雪の日の事が。

 

 

「証明しろ。」

そう言うシンに

「鬼の花嫁だっていうことを?」

「あぁ。」

「どうやってすれば?ほうきに変身するとか?」

「あぁ、やって見ろ。」

「…私。いたって真剣なんですけど。」

「私もだ。」

 

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「…私がどう見える?」

「…えーと…。背が高い。」

「他は。」

「服が高そう。」

「他は。」

「…30代半ば?」

「他は。」

「いい男。なんて答え、期待してるんじゃないでしょ?」

「もっと、別の物だ。それが見えなければ

『鬼の花嫁』じゃない。

鬼には、無価値だ。」

 

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「君は神様の掟破りで生まれた副産物だ。

おまけで得た人生に、感謝して暮らせ。」

…無価値だと、そう言われて

自分のすべてを否定されたようなそんな

気持ちになるウンタク。

 

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「嫌だって言ったら?」

(こんな人生に、何を感謝して暮らすの)

「私が感謝して暮らすのは嫌だって言ったら?」

 

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「死ぬという手もある。」

「ひどすぎる。…もういい。

だけど、さっきの質問には答えて。

おじさん、もしかして鬼なの?」

 

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「違う。」

「本当に?」

「違う。」

「じゃ、何なの?一体、何でもないの人が

なんで私の価値を勝手に判断するの?」

「君の事を10ウォンだけ分だけ心配している人。だ

…君は鬼の花嫁じゃない。もっと、現実を見て生きろ。」

 

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そう言うと、足早に歩いていくシン。

「待って。」

追いかけるウンタク。

 

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シンが扉を開けて出た。

 

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「まだ、話が途中よ。」

続いて出るウンタク。

 

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後をついてきたウンタクに驚くシン。

怒りに任せて着いてきたものの図書館から出てきたにしては

あまりに違う景色にウンタクも戸惑う。

 

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「何?ここ。え?ここは、どこなの?」

すっかり頭が混乱している。

 

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「君、どこから来た?」

 

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「おじさんの後をついて、ドアのノブを掴んで…

押しただけ…。」

 

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「なんで、扉を通れたんだ?」

「え?なんでだろ?っていうか。ここはどこなの?」

「ここか?…カナダ。」

 

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「カナダ?…カナダ…。あの、モミジの国の?

オーロラの国の?え?」

先ほどまでの怒って悲しかった気分はどこへやら

吹き飛んでしまったウンタクは『信じられない』とばかりに

探索し始める。

 

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「わぁ。ここがカナダなんだ。」

「おい。待て。」

 

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「…私。おじさんの超能力を見て決めた!!」

「私。おじさんと結婚する!!」

 

 

「サランヘヨ♡」

そう言って無邪気に笑う笑顔は太陽の様に輝いていた。

 

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 

シンは花嫁を探して900年の長い年月を生きて来た。

鬼の花嫁だけが抜けるという

胸に刺さったままの剣。

この、剣が見えないことには

『鬼の花嫁』にはなりえない。

やっと現れた自称『鬼の花嫁』ウンタク。

彼女に目には刺さったままの剣が見えないようだ…。

シンとウンタク。運命は2人を結びつけているようだが

剣の見えないウンタクと鬼の

因縁とは何なのか…?

 

…続く