↑第1話ー1も合わせて読んでいただくともっとわかります。

 

トッケビ~鬼~

 

 

第1話-2「鬼の花嫁誕生」

 

Screenshot_2017-04-02-13-20-37.jpg

 

現世では「キム・シン」として 実体のある人物であるシン。

不老不死である者の、普通の人間と変わらぬ暮らし。食べたいものを食べ、

眠くなったら眠りにもつく。

1998年、20年ぶりに帰ってきたソウル。そこへ…

 

Screenshot_2017-04-02-13-04-06.jpg

 

「旦那様。20年ぶりでございますね。」

現れたのは、キム・シンに代々使える ユ家の主とその孫。

 

Screenshot_2017-04-02-13-04-32.jpg

 

「旦那様、手紙でお伝えしていました孫のドクファでございます。」

「お前が、ドクファか。」

「叔父さん、だれ?」

「私か?私は…お前の叔父だ。後には、兄弟だったり、息子になったりする。

よろしく頼むぞ。」

「…???なんだそれ。怪しい奴だな。」

「無礼者!!」

お爺様に一喝されるドクファだが…。

「申し訳けございません。一人っ子なもので、甘やかされて育ったのです。」

 

Screenshot_2017-04-02-13-04-50.jpg

 

「それにしても…。お前は…。

 高麗で生まれ、異国で死んだ者がいた。その、子孫なのだ。

 その者に、お前はよく似ている。」

 

Screenshot_2017-04-02-13-05-08.jpg

 

「そいつも、イケメン?」

「こらっ!!」

…幼いのにタメ口を訊くこの生意気な性格は彼が大きくなっても、直っていない…。

Screenshot_2017-04-02-13-04-41.jpg

 だが、そんなドクファにシンはある者の面影を見ていたーー。

 

 再び、高麗時代…。

 

Screenshot_2017-04-02-13-17-24.jpg

 時がたち、幾度目かの季節が過ぎた頃…

シンが野ざらしにされた場所には今でも、剣が刺さったままだ。

「旦那様。長い間ご挨拶に来られず、申し訳ありませんでした。

 ずっと、床に臥せっておりました…。」

剣の前に額づく老人と幼い子供。




「旦那様。どうやら、私もあの世へ逝くようでございます。
 これからは私に代わりましてこの子供が、旦那様にお仕えいたします。
 私の孫でございます。」




「じぃちゃん、この剣が旦那様なの?」不思議そうに剣を見つめる子供。
と、言ったが早いか…不気味な気を放ち始めた剣。
そこへ、突然の雷鳴とともに稲光が。





突然のことに恐れおののく2人。
剣が揺れだし…

民の思いがお前に命を与えたようだ…
だが その剣は多くの血に染まっている
お前にとっては敵でも それもまた
尊い神の創りたもうた物
…独り 不滅の命を生き
愛する者たちの死を見届けよ
 

天からの声が響き…そして蕎麦の花の中に佇む一人の男の姿が。

胸に長い剣を差したまま…




「だ、旦那様~!」




 佇む男は、誰あろう『キム・シン』であった。
この者達のお陰で復活を遂げたシンは「行くところがある。」
 そう言って姿を消した…。


王様の葬儀の夜ー。
 「誰だ?!」



 闇夜に浮かぶ立ち姿に、思い出したあの内官。


「お、お前は…」

そう呟いた瞬間に体が宙に浮いていた。
何も言わずに、眉ひとつ動かす事なく、手に力を込める。
次の瞬間には彼はもう、この世の者ではなくなっていた。









復讐を終えたシンが再び、蕎麦畑に戻ってみると…
忠臣の亡骸の傍らで泣きじゃくる子供が。






「じぃちゃん、じぃちゃん」



そばにひざまずくと
「そなたが、私に下された最初の罰だな。」そう呟いたシン。
子供がシンに気付き、かしこまって座り直すと
「僕をそばにおいてください。」そう言って深々と頭を下げた。
「これからは僕がお仕えします。それが、じぃちゃんの遺言です。」
そう言った子供の顔にもう、涙はなかった。



「復讐に駆られ労いの言葉すら掛けられなかった…。
 …それでも、共に来てくれるか?」

その言葉に静かに何度も頷く子供。

シンの目から一筋の涙がこぼれた…。


シンと子供は2人で世界中を旅をしたー。
そんな、ある日。
航行中の船の中での出来事。
(動画は順番に見てください)

 








怒りに震えたシンの力。
シンの心のどこかに、今でもこの者への思いがあるに違いない。

 

 

そして。ある冬の夜。高層ビルの屋上で缶ビールを片手に下界を見下ろすシンの耳に

どこからか、切実に願う声が。

 

 

「誰か、助けて…」

「誰か…どうか。助けてください…。お願い…」

 

 

新雪の雪に みるみる広がる 赤い血の海。

 

 

切実に願う声にどこかの神様の心が動かされた…

「神様がいるのなら、どうか。お願いです」

 

 

つかつかと 近づいてくる足音。

 

 

「あなたは…?」

「…誰か。だ。」

「助けて下さい…どうか。」

「残念だが、人間の生き死にに関わることは掟やぶりなのだ。」

「今、死ぬわけにはいかないんです…。」

母親の切実な願い、そして。シンの耳にもはっきりと聞こえる

心臓の音。

シンが逡巡している間に、息絶えてしまう。

 

 

シンは何かを決心するかのように、大きく息を吸い込んで…

 

 

おもむろにしゃがみ込み、母親の顔に手を翳す。

 

 

青い炎に包まれた掌が 母親の顔に翳されて…

 

 

 

そして。時程なくして 黒づくめの男が一人。

 

 

居るはずの場所に、居ない者たち。

「チ・ヨニ」と「名無しちゃん」

 

 

そして。季節外れの『さくら』

 

 

 

 

この夜、死ぬはずだった2つの命が トッケビである シンによって

救われたのだが…

妙なことに、この世に住まう  魑魅魍魎の霊魂たちは

こぞってこの新たに生まれた 命である 赤ちゃんを

「鬼の花嫁」と呼ぶのであった。

 

 

 

第1話 「チ・ウンタク登場」に続く…