晴れ晴れとしたお天気の千葉
です。イル君の親友
ミノ君の「江南1970」を観た感想を書こう書こうと、思って…放置…ってわけじゃないんですけど(笑)
この映画は、考えをまとめて書く必要があったので
時間が必要でした

さて。ここからネタバレです。
結構、何様か?ってな感じで書いてるところもあると思うので
不快だと感じられたら、読まないことをお薦めしますm(_ _ )m
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「江南1970」 邦題「江南ブルース」
本国公開 2015/1/21
監督 イ・ハ
主演 イ・ミンホ
キム・レウォン
チョン・ジニョン
キム・ジス 他
1970年。韓国。ソウル都市計画の裏話をベースにして
政治と暴力、権力と金に 生きて夢見た男の生き様を描いた
男くさく、荒いノワール映画に仕上がっている。
冒頭、心が透くような大きな草原をなめるように過ぎていくシーンから
始まっていきなり、汚い町の風景が映し出され、画面を汚していく。
画面にいっぱいに 映し出される 2人の姿。
薄汚れた服を身にまとって、無秩序の無許可村をごみを拾って
歩く2人。

物乞いのようなこの2人。左がイ・ミンホ扮する ジョンテ。
右が キム・レウォン扮する、ヨンギ。
共に孤児の二人は 血のつながらないけれども
共に生きて生きた 兄弟だった。
日本で言う、クズ屋を生業として生きてきた二人には
今日、生きていくのがやっとの生活。
無許可の地域に 勝手にほったて小屋を建てて生きるしかない生活。
親もなく、仕事もなく、金もない。
地を這いずるように、虫けらのように生きる二人。
そんな、生活が一変する。
都市計画が始まり、無許可で立てた小屋は 取り壊される。
行き場を失ってしまった二人。
そんな二人はヤクザのギルス(チョン・ジニョン)に救われる。
時を同じくして 都市計画に絡んで1つの密室談義が行われる。
やくざの元締め達を集めての 利権と金が絡んだ密談だ。
そこに居るのは 国会議員でありながらも不動産界の大物と
言われる黒幕の男。その下で金庫番として暗躍する男。
いづれも政治家だが,やくざをも自由自在に動かす男たち。
その、男たちが計画した「全党大会のぶっ潰し」に
偶然にも、連れて行かれた ジョンテとヨンギ。拳やら椅子やら
暴力と怒号が飛び交う会場で、2人ははぐれてしまう。
兄と慕ってきたヨンギを失って 行くあてもないジョンテに
ヤクザの組長であったギルスに拾われ、息子同然に暮らし始める。

戸籍もなく、親も家族もない ジョンテに初めて家族が出来た
瞬間だった。それから、3年。世の中は不景気で一向に景気が
良くなる気配を見せない。雨の夜、命を狙われてから娘ソルヒョンの為
やくざから足を洗ったギルスは 借金してクリーニング店を営んでいたが
ここも不況のあおりを受けて、芳しくない。
ジョンテは クラブの用心棒や揉め事を片付けるようなやくざ稼業に
身を置いているが、ギルスは大反対である為に隠していた。
けれど、上手くいかない商売やなかなか這い上がれない境遇に
じくじくしていたジョンテは ある揉め事をきっかけに知り合った
ミン女史と壮大な計画を抱いていくようになる。
一方、兄貴分ヨンギははぐれてから3年。
明洞地区を牛耳るヤクザ、ヤン・ギテクの右腕となり暗躍していた。
守るべき物を何も持たないヨンギにとって、また、貧しさのどん底を
味わっている彼にとってこの稼業は適正とでも言うべきか。
殺しも厭わずやってのける彼に誰もが一目を置いていた。
組織の№2まで上り詰めた彼とジョンテが再会を果たしたが…
敵対する組織のヤクザどうしという、再会だった。
その境遇こそが 2人を止めることのできない暴走列車へと
変えさせるスイッチになってしまった。
2人がお互いに 表と裏から情報を交換することによって
ヨンギの親分である ギテクのシマを 奪えるという野心を
抱かせてしまう。ギテクは明洞一帯を牛耳る最大のヤクザ。
政治家へのパイプも太い。それを奪えるポジションにいる
ヨンギ。来たるべき時が来たら、ヨンギはジョンテ側に着き
一気にオセロの石がひっくり返る手はずだった。
が。前から不審な動きに気づいていた 兄弟分によって
ヨンギは窮地に立たされる。
「裏切り者じゃないというなら、その証拠を見せろ」
そう言われて、向かった先はギルスの所だった。
自分の保身の為に、果てまた野心の為に 今、ここで
立ちどまれないヨンギ。自分にとっても恩人のジョンテにとって
父親代わりの ギルスを殺る事にためらいのない ヨンギだった…。
何も持たなかったがゆえに
金と権力を貪欲に追い続けたジョンテとヨンギ。
そのことを知った そこに付け入る 者たち。
「暴力もヤクザも使い捨てでしょう」そう言ったジョンテの言葉が
耳に残る。
ラストシーンで ギルスを殺ったのが ヨンギだと分かり
映画館に呼び出す ジョンテ。
そこには ヨンギの手下もいた。お互いにお互いに信じられ無くなって
結局は兄弟同然で育っても 自分の果てなき欲望のためには
全てを犠牲に出来てしまう心。
だが、結局2人はお互いに殺すこともできないままに
別々の人の殺されてしまう。なぜなら 暴力もヤクザも使い捨てだから。
風の様に駆け抜け、跡さえ残らなかった男たちの人生。
映画の アクションシーン、暴力シーンは見応えがあります。
特に 大勢の人数と男たちが雨の泥濘の中で 文字通りどろどろに
なりながら ぶつかり合うシーン。斧やナイフを使った演出で
目を覆いたくなるような場面もたくさんあったけれども、見応えは
充分でした。また、そこで演じていた ミノ君のアクションも男臭く、今までの
ミノ君には 見られなかった所かもしれません。
どの雑誌を見ても 彼の演技は絶賛されていました。が。
私はちょっと、うーん。と、思ってしまいました。
方々で書かれている 一皮むけた。と、言う感じは正直、しなかったんです。
悲しげな瞳、視線も 抑えた演技も アクションも。
ドラマで見たミノ君の 枠を超えているとは思わなかったんです。
あっ。と。驚くような感じが無かったので その点が期待していただけに
残念です。
私的に特筆すべきは キム・レウォン氏の演技。
15キロも減量して撮影に挑んだそうですが、確かに脱いだら
良い体をしていて、命がけで戦っている男の色気みたいなものを
感じましたし、それこそ眼差しで演技していました。
映画はサッドendムービーで 2人が死んで終わってしまうのですが
もっと、悲しいのは ジョンテと父親代わりであった ギルスの関係です。
ギルスの葬儀の後で ジョンテが アルバムをみるシーンがあって
そのアルバムに1枚の紙が挟んであって…。
それが 戸籍の証書。
「ジョンテをキム・ギルスの養子にする」旨がかかれた紙で。
ヤクザになるなら、家族なんかじゃない。と、突っぱねた ギルスだったけれど
本当の親子になる為に、手続きをしていたんです。
ジョンテ…後悔してもしきれません。
…。しかし。脇で出ていらっしゃる方たちはドラマでよく見る人ばかりで
正直、キャストだけで 食傷気味でした…
でも。それを上回る 主要キャストの演技のぶつかり合いが魅力です。
やくざ映画。と、言うより。ノワール作品になっていると思います。

