<討論その14>

 

参加者:今井氏、佐々木氏、田村氏、平石氏(司会進行)

 

⒂27:14~29:10

佐々木「いや、おっしゃりたいことはよくわかったので質問させてください。」

 

田村「QAができてないってことをまずほんとに一度理解された方がいいですよ。」

 

佐々木「じゃあね、人間がね、狩猟して、鹿を取ってその鹿の肉を食べるのはオッケーなんですか。」

 

平石「そういうケースもあるでしょ。」

 

田村「そうゆうケースにあなたは答えない。」

 

佐々木「狩猟して鹿とかイノシシ取りますよね。それを食べるのはオッケーなんですか。」

 

今井「OKとは思ってないですよ、私たちは。もちろん、あのOKっていうか、私たちヴィーガンはそういうことはしないです。」

 

平石「動物は動物を食べていいっていう話をされたから、佐々木さんはそういうふうに問うています。」

 

佐々木「ライオンがシマウマを食べるのと、我々が猟銃でイノシシを打って食べるのとはどう違うんでしょう。」

 

今井「あ、人間は栄養素に全く必要ないからですね。動物が。」

 

平石「いやそこは議論の余地があると思いますよ。そこは議論の余地があることだと思いますし…」

 

今井「動物性のものが一切必要ないのに、先ほど申しましたように、タンパク源っていうのは植物から全部取れるんです。なので、私は11年目ですけれども、こんな健康に普通に生きているわけで、あの動物性のもの一切取ってないですよ。」

 

佐々木「あのーそれはね。長い歴史の話。例えば、何でパンダがささだけ食うようになったのかとか、そう いうとこまで話が広がっちゃう難しい話なんだけど、元々雑食動物なんで、肉は食ってたですよね。」

 

平石「かりにそうだったとしても、佐々木さんの問いの答えにはなってないと私は思うんですよ。」

 

今井「え、そうですか。」

 

平石「動物が動物を食べることが良くて、人間は動物を食べてはならないという理由にはならないと思うんですね。」

 

今井「食べてはならないではなくて、食べないことができるのに、不必要なものを、不必要な殺生をしなくても済むんです

よ。」

 

平石「どこで不必要かがわからないってことですね。」

 

佐々木「もう一つ聞きますよ。熊がね、熊は菜食でも大丈夫なはずなんですよ。でも実際には魚獲ったりとか中にはね、その動物を食べたりとかヒトを食ったりとかするクマもいますよね。あれは許されないんでしょうか。」

 

今井「いやいや動物ですから自由にされたらいいと思います。」

 

佐々木「では、人間はなぜダメなの。」

 

今井「人間は知性があるし、もうあの動物性のものが必要なく生きていける、健康に。ということがわかっているからなんですね。」


【概 要】

①討論その12で、今井氏が「動物は動物を食べてもいい」と失言したため、佐々木氏と平石氏は、「動物が動物を食べることはよく、人間が動物を食べることはよくない。」という問いの答えを執拗に今井氏に求める。

 

【問題点】

 ①田村氏の「そうゆうケースにあなたは答えない。」という発言は非建設的発言である。

 ②「人間は元々雑食動物であった」という説は事実に反するということが近年の研究で明らかになっている。

 ③討論その12で分析したように、今井氏が、「動物は動物を食べてもよい」という発言を訂正しなかったため、「動物は動物を食べてもいいのに、人間は食べてはいけないのはなぜか」という無意味な議論が続くことになった。

 

【分 析】

 ①今井氏は「人間は草食動物で、知性があるから」と答えているので、佐々木氏の質問にも平石氏の質問にもすでに答えている。にもかかわらず平石氏が佐々木氏(本当は自分)の質問に答えてもらっていないと発言したため、田村氏は勘違いしたと思われるが、田村氏も今井氏の発言をよく聞いていないことが分かる。また、田村氏の質問に対しても今井氏は討論その11で誠実に返答しているが、「ヴィーガンにとって魚も鶏も同様に愛護すべき生き物であるなら、なぜ鶏の動画ばかり見せたのか」という田村氏の質問に対して、今井氏の返答は田村氏が満足できる返答ではないため、田村氏は今井氏に対してQAができていないと言っていると思われる。

 ②「じゃあね、人間がね、狩猟して、鹿を取ってその鹿の肉を食べるのはオッケーなんですか。」という佐々木氏の質問に対して、討論その12ですでに「人間は草食動物で知性があるから肉食してはいけない」と今井氏は答えているのだが、狩猟による肉食をOKと答えるなら、「動物を食べるべきではない」と考えるヴィーガンの立場に反し、狩猟による肉食をNOと答えるなら、狩猟肉食と畜産肉食は同じだという説明をしなければならなくなるが、今井氏にはその説明はできないと田村氏は考えているため、「そうゆうケースにあなたは答えない。」と田村氏は発言していると思われる。

 ③討論その12での推測通り、「ヴィーガンが動物世界の弱肉強食を許容するなら、強者である人間が弱者である動物を食べることも許容すべきである。後者を許容しないのなら、前者も許容すべきではない。」という論法が用いられているが、そもそも「動物界の弱肉強食の是非を問う資格が人間にない」ということ、そして「人間と人間以外の動物との間には暗黙裡に質的差異が前提とされており、人間と人間以外の動物を同列に扱うことは論理的に誤りである」という理由から、この論法は謬論である。

 ④この討論では、「動物が動物を食べていいのに、なぜ人間は動物を食べてはならないのか。」が議論の焦点になっているが、「動物が動物を食べてもいいのなら、人間も動物を食べていい。」という考え方は、『人間も動物も同じである』という考え方を前提にしており、もしこの前提が正しいとするなら、「人間が動物を食べてもいいのなら、人間は人間も食べていい。」という考え方が成立する。もしこの考え方が成立しないと考えるなら、『人間も動物も同じである』という前提が誤りとなり、「動物が動物を食べてもいいのなら、人間も動物を食べていい。」という理屈も成立しえない。

 今井氏は「人間と動物は知性によって区別される」と答えているので、「動物が動物を食べてもいいのなら、なぜ人間は動物を食べてはいけないのか。」という問いに対して明確な解答を提示している。