<討論その4>

 

参加者:今井氏、田淵氏、平石氏(司会進行)

 

⑷7:54~9:25

田淵「そしたら、なんでお店の前でわざわざやるんですか。公園とかでやったほうが。」

 

今井「効果的だからですね。」

 

田淵「公園でやったらどうですか。でしょ。それが、見たくない人が、せっかく今から食べようと思っている人が、邪魔じゃないですか。食欲なくなるじゃないですか。」

 

今井「そこを避けていただければいいと思います。ここはパブリックなんで、あのー私たちが活動したところはパブリックなんで…」

 

田淵「いや公道でも、ずーっといたら営業妨害だと思いますよ。」

 

今井「いや、ならないです。」

 

田淵「お家の前に、僕みたいのがずっーとお家の前にいて、さっき言ったみたいに、『境界線はどこなんですか。』って言い続けるのってどうです。僕みたいのが、さっき言ったみたいに、『アメーバーはじゃあ動物じゃないんですか。とかミミズは。』」

 

今井「その議論ってあまり、なんて言うんだろう、私たちの活動にはあまり…」

 

田淵「だから、ぜんぜん答えなくてもいいんだけど…」

 

平石「いったん止めますね。お店の前での抗議活動は罪に問われますかというのを弁護士さんに伺っていますと、『威力業務妨害ということには当たらないでしょうと。一方で、営業妨害ということについてはですね、場合によっては問われる可能性もあります。ただしそれは現実的に損害が出ているということを立証する必要がありますよ。』ということでした。1回整理しますね。えーっとですから、動物がまあ虐待されている状況にあることをまず止めたいというお話がありました。」

 

今井「はい、そうですね。」

 

平石「で、それは改善されれば、それはお店の前での抗議はもう一旦やめるいうことでよろしいですか。そういうことではないですか。」

 

今井「お店の前の抗議をやめるっていうよりは、1回しかやってないんですね。継続的なものでもありません。はい。」


【概 要】

 

 ①田淵氏は、討論その2でヴィーガン思想自体に問題点を指摘しようとしたのに対して、討論その4では、ヴィーガンの主張方法に問題点を指摘しようと考え、主張方法の法的問題を話題にしている。

 ②平石氏は、法的問題を簡単には指摘できないという弁護士の意見を報告

 

【問題点】

 

 ①営業妨害には罪を問われる場合と問われない場合があり、田淵氏は明確には述べていないが、平石氏の法的説明後、田淵氏がこの件に関する発言をやめたことから判断して、「営業妨害だと思う」という発言は罪を問われる営業妨害を意図して用いられていると考えられる。法律を盾に取って優位な立場に立とうとする姿勢は虎の威を借る狐の姿勢と同じであり、議論で相手に勝つことしか考えておらず、ここに建設的議論は成立しえない。

 ②田淵氏は、十分な法知識がないにもかかわらず法律を盾に取って相手を攻撃しようとして墓穴を掘ったが、法律に関して十分な下調べをせず、また、法的問題を検討したうえでキャンペーンを行っているであろうということも考えずに、思い付きで相手を批判するという主張は軽率である。

 ③田淵氏は法律という虎の威を借り、ヴィーガンの主張方法のあら捜しを執拗に続けようとしたが、田淵氏の主張に限界を感じた平石氏は法的説明を行い、いったん議論の軌道修正はなされた。しかし、平石氏は、営業妨害論を主張する田淵氏に矛を収めさせようと、ヴィーガンの行動自体を自粛させるという方法で議論に決着をつけようとした。しかし、「動物が虐待されている状況が改善されれば」という条件は可能性が極めて低いと考えられるので、現実には「お店の前での抗議行動はやめない」ということを認めることになり、議論は平行線のままとなった。

 

【分 析】

 

 「正しい主義主張とは何か。」という方法論がこの議論のテーマであり、司会進行役の平石氏はこのテーマに沿った司会進行をしなければならないにもかかわらず、「お店の前での抗議はもう一旦やめる」という具体的な方法の問題にすり替えようとしている。また、正しい主義主張とは全くかけ離れた主張を繰り返す田淵氏に対する平石氏の態度からも分かるように、平石氏は司会進行役としての公正な第三者の立場に立ち、建設的な議論が展開されるように尽力しなければならないにもかかわらず、自ら反ヴィーガンの立場に組した司会進行をし、非建設的な議論に加担していると言わざるを得ない。後の討論の中でよりいっそう明らかとなるが、ヴィーガンの「お店の前での抗議行動」に対する感情的な反発が参加者の多くの思考に大きく影響しているように思われる。

 

【追 記】

 

 討論その4の分析も討論全体を分析した上で行っています。また、討論のスクリプトに誤りがある場合はご指摘願います。