| ■日本薬局方に収載された精油は医薬品扱い
メディカルアロマというとおり、日本薬局方には薬効・効果が認められた精油が収載されている。 これらは医薬品の扱いになるが、化粧品に含む場合に特例があるものもある。 医薬品材料を含んでいるものは医薬品とみなされる。承認を受けて販売することができる。 濃度が低い時は化粧品に配合することが許されるときがある。そのときは、局方の効果・効能を表示してはならない。 医薬品以外の香料名目で配合されていると考えている。 局方掲載の精油は医薬品の取り扱いになるが、医薬品の効果効能を謳わないときは化粧品用途でも使えることがあるが、 別途行政より通知がある。問い合わせること。 |
| ■フェニルプロパノイド系精油成分
チョウジ油、ウイキョウ油、ケイヒ油は局方精油で、 主成分はオイゲノール(Eugenol)、アネトール(Anethole)、ケイヒアルデヒド(Cinnamaldehyde)などのフェニルプロパノイド系物質である。 オイゲノールは医薬品として口腔内殺菌薬、虫歯の鎮痛などに用いるほか、バニリンの製造原料になっている。 アネトール、ケイヒアルデヒドは製剤用賦香料などに用いる。ケイヒアルデヒドは香辛料として用いられるシナモンの芳香成分である。 |
| ■テルペノイド系精油成分
精油化学成分は低分子で、テルペノイドとしては脂溶性のモノテルペンやセスキテルペンが多く存在する。 オレンジ油の主成分は柑橘類の芳香成分である l-リモネン(Limonene)であり、 リモネンは製剤用賦香料、食品賦香料、化粧品賦香料など広く利用される。 柑橘類の果皮を圧搾して得られる精油にはリモネンが約90%含まれる。 テルペノイド類は沸点の低い炭化水素なので、天然有機溶剤としても使われる。 ハッカ油に30~40%含まれるl-メントール(Menthol)は、芳香性健胃、駆風、局所刺激薬(うがい用、リニメント剤など外用)、 香料(薬用、食用、たばこ用)として利用される。 松脂を水蒸気蒸留して得られるテレビン油の主成分はα-ピネン (Pinene) を始めとするモノテルペン炭化水素である。 テレビン油は皮膚刺激薬として外用するほか、塗料の溶剤としても使われる。 ユーカリ油の主成分はシネオール(1,8-cineole)であり、環状エーテルに分類され、 消炎、清涼、防腐用に用いられるほか、虫除けローションの配合剤としても用いられる。 イネ科レモングラスの化学成分のシトラール (Citral) は鎖状モノテルペンアルデヒド類で香料として用いられる。 |
| ■薬学では精油を知らない
植物を蒸留して得られる揮発性成分を精油とよぶのでしょう。植物の抽出液は医薬として利用され生薬と呼ばれていた。 アロマテラピーも知らないが、生薬と考えるのだろう。 植物揮発成分を植物油で薄めて医学的目的がないのに、生体の体に塗布するというアロマテラピーを理解できない。 そもそも医学的目的がないものを危険でもある生体に塗布することは考えられなかった。 それで、薬学ではアロマテラピーを知らなかった。古い薬学の文献をみても、精油の研究テーマは少なかった。 |
| ■日本薬局方収載精油一覧
植物から水蒸気蒸留で得られる揮発性成分の精油は、低分子で極性の低い(疎水性)物質の混合物である。 下表に日本薬局方に収載する精油を挙げる。日本薬局方の名称、たとえばオレンジ油などが用いられる。 ラテン語名が標準になっていないことに注意する。
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| ■データベース検索例
第十六改正日本薬局方 化学薬品等 オレンジ油 本品はCitrus 属諸種植物(Rutaceae)の食用に供する種類の果皮を圧搾して得た精油である. |
| ■日本薬局方収載精油が雑貨品として流通している
精油のラベル表示で「日本薬局方収載」の表示および効果・効能が標榜されていないとき、 その精油が化粧品材料または雑貨品で流通している場合がある。 行政としての解釈があるので、問い合わせてみるのもよい。 反対に、精油に「日本薬局方収載」の表示および効果・効能が標榜されているとき、 その精油は医薬品該当性があるとみなされることがある。 たとえば、日本薬局方ラベルのある精油を医薬品製造販売業から仕入れて、化粧品に配合するとき、 配合材料名に日本薬局方と書いてはならない。たとえば、エタノールの場合がある。 エタノールの雑貨品はメチルアルコールが微量に配合されているのは、酒税法による。 |