ライムストーン畑 | forestwalkingのブログ

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2013年の暮れに、突然この世を去られた、理学博士 藤田忠男先生の研究を掲載していくブログです。

乾燥土壌で育つラベンダー
■乾燥土壌でラベンダーを栽培

イングリッシュ・ラベンダーの栽培は簡単ではないといわれるが、乾燥土壌でラベンダーを栽培することが必要だ。 ヨーロッパでは石灰岩のライムストーンが風化した土壌の中に混じっている。 更に傾斜地では水が下の方に流れていく。溜まりにくいのだ。 そのような乾燥して土壌でラベンダーは栽培されている。 揮発性精油にするので、湿った植物から水蒸気蒸留法で精油を採ると臭味が残る。乾燥させると化学成分も揮発してしまう。

地中海沿岸の山沿いの石灰岩・ライムストーンは貝や動物の遺骸等が海の底で積み重なって固まってできた石。 熱による影響を受けていないので、建築用石材で一番柔らかい。 砂岩は軟らかいので加工がしやすく、細かな彫刻が可能ですが、 風化しやすく、経年によりタマネギの皮をめくるように崩れていく。 砂岩は火山灰が固結してできた凝灰岩のことを指す。 サンゴ礁等、石灰質の生物の化石が堆積してできた石灰岩、凝灰岩を総称して、堆積岩という。 ライムストーンは、堆積岩の石灰岩のことで、炭酸カルシウムが主成分だ。 主に海成で、有殻生物の遺骸が化学的沈殿を起こして生成されたと考えられている。



■ラベンダーはライムストーンの乾燥土壌で栽培

南ヨーロッパではライムストーンの土壌でラベンダーが栽培されている。 ラベンダーは乾燥した土壌で育つといわれ、湿り気のあるところでは腐ってしまう。 右図のライムストーンの野原は英国。フランスではラベンダー畑になってしまっている。 ライムストーンを積み上げたり境界を示す塀に利用している。

ラベンダーの葉は細いが、Lavandura の名前のもとになっているぐらい特徴的だ。葉からの水の蒸散をおさえているのか。



■北海道の富良野のラベンダーは石灰乾燥土壌で栽培

北海道の富良野のラベンダーは石灰乾燥土壌で栽培しているという。ライムストーンかどうかは分からないが砂状の土壌で栽培しているという。 広い広大な農場の土壌を人工的に作り出すことはできない。自然な土壌を利用してラベンダー栽培をする。 右図はイングリッシュ・ラベンダーが乾燥土壌で栽培されている。



■ラベンダー栽培における標高

フランスのアルプス地方にラベンダーは自生していた。土壌の乾燥と標高の問題が精油の香りを決める。 精油の香りは芳香分子の含有率・構成比率により決まります。 特にラベンダーでは、リナロールと酢酸リナリルの成分比率により香りが変化します。 精油の芳香分子は原料となる植物の含有する芳香分子の含有率・構成比率がそのまま反映しているわけではない。 光合成や二次代謝の効率に関わる気象要素(日照時間・気温・降水量)により、植物の含有する芳香分子の含有率・構成比率が大きく変化する。 気象要素に大きな変化をもたらす要素の一つに標高差があり、

緑色植物は昼間は光合成が盛んですが、 植物は光合成した養分を夜間に呼吸で消費して、気温が低くなるほど呼吸が少なくなるため、 昼夜の寒暖差が激しい高地では夜間の養分の消費量が少なくなり、香り高い植物に育ちます。 このためラベンダーに限らず、珈琲・茶・ワインの葡萄などの香り・風味が要となる植物の高地栽培は古くから行われている。 ラベンダーはアルプスの高地から地中海に至る傾斜地の地域で自生し栽培されている。 地中海沿岸のコート・ダジュール付近からヨーロッパアルプスの最高峰モンブランまでがフランスアルプスと呼ばれている。 海抜800m辺りがラベンダーにとってよい環境らしい。 プロバンスの広い地域を指しているわけだ。 標高差、寒暖差がよいラベンダー精油をもたらすという。

厳しい環境の中で生きていく植物の知恵として、体内に大量・多種の生理活性物質を蓄えているのか。 これを人間は天の恵みとしていただいているだけだ。植物の方が知恵があるのではないか。