オーストラリアのサンダルウッド | forestwalkingのブログ

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2013年の暮れに、突然この世を去られた、理学博士 藤田忠男先生の研究を掲載していくブログです。

西オーストラリアの真正サンダルウッド
■オーストラリアの真正サンダルウッド

西オーストラリアは数億年前は陸続きだったが、その後地殻変動で分離し、そのサンダルウッドはインド種とは多少違う。 同じ地域にあったサンダルウッドの樹木群がインドとオーストラリアで分離してしまった。 その後、個別に進化してしまった。このような進化論を信じますか。 オーストラリアの真正サンダルウッド (the True Australian Sandalwood) は希少性油なので不正精油が出回っている。

オーストラリアの西部地域にサンダルウッドの樹木が自生して政府の管理下にあるという。 その樹木から精油が採れるのでオーストラリアのサンダルウッドと呼んでいる。 希少精油なので当然ながら偽物が出回っている。世の中悪い人はいるものです。 西オーストラリアの指定された樹木から採れる精油をいわゆる真正サンダルウッド (true Australian Sandalwood) と呼ぶ。

言伝えにも残っているという。 約2億五千年前には一つの超大陸(パンゲア大陸:ギリシャ語全ての大陸)しかなく、インドとオーストラリアは陸続きだった。 そのときにインド原産のサンダルウッドとオーストラリア原産に別れたという。 オーストラリア北部に住むアボリジニは歩いてアジアからオーストラリアに来たという。 なぜかインド人に風貌が似ていなくもない。



■オーストラリアのサンダルウッドの野生栽培地域

もともとは東インドと陸続きだった西オーストラリアにサンダルウッドの野生栽培地域がある。 長期的な隔離によりオーストラリアのサンダルウッドは進化した。

心材を砕いてチップにして水蒸気蒸留法により精油を得ている。 オーストラリア産のサンダルウッドの植物名 Santalum spicatum 白檀科。インド産 Santalum album のものとは違う。 インド産サンダルウッドでは、cis-alpha-santalol (構造は右下)、cis-beta-santalol がそれぞれ45.39%および20.54%が含まれる。 合計で65.94%で、オーストラリア産のものとは特徴化学成分の濃度がまったく異なるといえる。


オーストラリア産真正サンダルウッド成分表(%)

■試験施設 オーストラリア NSW州 主要産業部 
診断および分析研究部門 環境研究室 マイク・トゥレバスキス技術員


  成分名称 Conc (%) 化合物の種類
cis-alpha-santalol 22.2 セスキテルペンアルコール類
trans-beta-santalol 2.1 セスキテルペンアルコール類
epi-alpha-bisabolol 1.2 セスキテルペンアルコール類
alpha-santalene 2.0 セスキテルペン類
epi-beta-santalene 0.9 セスキテルペン類
beta-santalene 1.6 セスキテルペン類
beta-curcumene 1.2 セスキテルペン類
alpha-curcumene 0.7 セスキテルペン類
gamma-curcumene 0.7 セスキテルペン類
10 beta-bisabolene 0.8 セスキテルペン類
11 beta-sinensal 1.1 セスキテルペン類
12 alpha-sinensal 0.9 セスキテルペン類
13 trans-alpha-bergamotol 3.3 セスキテルペンアルコール類
14 epi-alpha-santalol 0.9 セスキテルペンアルコール類
15 epi-beta-santalol 2.0 セスキテルペンアルコール類
16 trans-trans-farnesol 6.4 セスキテルペンアルコール類
17 cis-beta-santalol 7.2 セスキテルペンアルコール類
18 cis-nuciferol 6.9 セスキテルペンアルコール類
19 cis-lanceol 1.3 セスキテルペンアルコール類
20 E-nerolidol 2.3 セスキテルペンアルコール類
21 dendrolasin 1.8 セスキテルペン類
22 beta-bisabolol 1.0 セスキテルペンアルコール類
23 z-gamma-curcumen-12-ol 5.1 セスキテルペンアルコール類
24 z-beta-curcumen-12-ol 7.2 セスキテルペンアルコール類
25 trans-alpha-bergamotene 0.6 セスキテルペン類
26 alpha-santalol acetate 0.3 エステル
27 alpha-bisabolol acetate 0.3 エステル
28 trans-alpha-bergamotol acetate 0.7 エステル
28 Total 79.9 ...


■セスキテルペンおよびそのアルコール誘導体

セスキテルペンおよびそのアルコール誘導体が多く含まれている。 このアルコールは菌の細胞膜を通過して内部のタンパクを変質させるので、殺菌効果として利用されている。 アルデヒドやエーテル類は含まれていないので虫除けには使われていない。

エステルが生成しているがアルコールが水蒸気蒸留の過程で生成したもので、もとの植物に含まれたものではない。 エステルの芳香が独自の匂いを醸し出している。



■オーストラリア産サンダルウッドの偽物精油

オーストラリア産サンダルウッドの偽物精油がオーストラリアの企業 Tea Tree Farms (通称ティーツリーファームズ) Pty. Ltd. が日本に送り込んでいる。 同社販売の精油の成分表は偽造かもしれないが発表されている。真正物の成分表と比較して偽物であることは一目瞭然だ。 同社は偽物精油であることを認識していると聞いている。 既に購入した場合は、もよりの保健所または市役所に届けてください。健康被害の可能性もあり国際的な詐欺事件に発展している。

合成油製造と販売ルートはオーストラリア当局の追跡でわかってくるだろう。 その合成精油には、成分表で見る限り微量成分までは細工できていない。 ネロリドール、カークメン誘導体、サンタレン、デンドロラシン等は微量成分として真正精油に含まれるが、偽精油には含まれていない。 シスーアルファーサンタロールのようなサンダルウッドとして古くから知られている特徴成分は混合されているが、 微量成分までは原料を調達できないので混合されていない。

合成油製造者は年齢の高いものであると予想される。ある程度の精油の知識をもつと予想される。 化学系の大学を卒業し、責任ある仕事をまかされた仕事をこなしてキャリアを積んで来たとは思えない。 精油偽和はリスクの高い仕事だ。ふつうの人間ではできない。アンダーグランドの仕事といってもよい。 日本の学会に来て招待講演をしたとも伝えられている。精油の専門家として吹聴しないと、ひとを騙して偽精油を販売できないからだ。 だいたい顔は割れている。 偽和の精油は、大方の化学成分で作られるのが特徴だ。オーストラリア産のサンダルウッドの正確な成分表が出たので不正精油はなくなると思う。

上の成分表は西オーストラリアで採取されたサンダルウッドの成分確認を、 オーストラリア公的組織の NSW 政府・主要工業部・診断及び分析部門・環境研究室の技官、 マイク・ラッセル氏によりなされだ。原本には日付とサインもある。



■オーストラリア産サンダルウッドの不正伐採

西オーストラリアで不正に伐採されるサンダルウッドは年間40トンあまりだ。額として $600,600の損失になっている。 アロマテラピーなどの医療用途、フラグランスに使われるのでアジアでの需要が高まっている。 そのために、樹木を不正に伐採するものが多いという。 公的な場所や個人の私有物である土地にある樹木の伐採は禁じられている。

オーストラリアのサンダルウッド精油の分析表を確認してもらいたい。 不正伐採や合成油添加をしている業者は公的分析所に成分分析を依頼できないので、分析表を偽造している可能性がある。