クンジアオイル | forestwalkingのブログ

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2013年の暮れに、突然この世を去られた、理学博士 藤田忠男先生の研究を掲載していくブログです。

ティートリーとは違うクンジア
■日本で知られてきたタスマニアのクンジア

タスマニアはどこにあるんだ。どこか秘境の国と思っていたひとが多い。 タスマニアで、ティートリーと似ているようだが違うクンジアという精油が採れている。 それが日本に運ばれてきて入手できるとは驚きだ。物流も便利になったものだ。 今まで、精油はヨーロッパで採油され、古い歴史の逸話をもっている。 ところがクンジアはタスマニアで最近になって採油された。歴史も逸話もない。そうすると、伝統医療ではないのか。

クンジアには抗炎症効果があることがわかっている。 体の皮膚表面のトリートメントによいが、現在では施術に広く使われているわけではない。 誰かが試して、草の根のように広がっていった。フランスのダニエル・ペノエル医師は飲用を薦めている。 オーストラリア地域ではクンジアのようにティートリーの変種が多く見つかっている。 タスマニアは切り離されて個別に進化してきた地域だ。 そこに根付いた植物が生き延びるように進化してきた、という説明はダーウィン以来の進化論だ。 その精油の化学成分が人間に役立つのではないかと精油は作られている。 ヨーロッパの植物や精油は調べ尽くされた。新たな地域で新規精油を見出そう。

クンジアはタスマニアの生産者がもくもくと蒸留し、中間ブローカーを通さずに日本に運ばれている。 タスマニアの自然パワーが小瓶の中に凝集されている。蓋を開けて原液でアトピー患部に塗ってみてください。 あとはいえません。法律の問題もあります。



■クンジアでアトピー性皮膚炎が治った話し

アトピー性皮膚炎では下着やシャツなどが皮膚とすれて、赤く腫れて痒くなる。 そのときに、クンジアを植物油に希釈して塗布してみてください。原液で塗布することもできます。 しばらく塗りつづけてみると、赤み、痒みが消えてくるでしょうか。 このように、綿などの繊維が皮膚とすれる接触性皮膚炎にクンジアはよいようだ。 慢性的なアトピー性皮膚炎については医師に相談すること。アトピー性皮膚炎の原因を調べてみること。

単に接触性のものであれば、その原因を排除して、スキンケアで肌表面を殺菌すればよいと思う。 皮膚によくない繊維の下着、シャツを着ていませんか。栄養不良、ビタミン、ミネラル、寝不足などがありませんか。 総点検してみてください。皮膚科医は患者の栄養、生活習慣などをすべて観察しているわけではありません。 それで単にステロイド剤投与になってしまう。

クンジアは日本で売れている。それに対応して偽物クンジアが入ってきている。 販売者に生産者名を問い合わせること。生産地はタスマニアだ。 直接に肌に塗る精油はブローカーが入らない生産者からの直輸入が必要だ。 オーストラリアでは生産増強中です。 オーストラリアの農業者は偽物精油に対しては厳しい。


■クンジア発見のいきさつ

クンジアの茂る周囲の鉄柵がサビないことで注目された。 精油の70%がテルペン類なので空気中に揮発して鉄の表面に皮膜をつくったと考えられる。 植物の二次代謝物である精油化学成分は自分の身を守るためにも使う。 自分の周りにもある鉄柵も守ったことになる。 この精油を人間の皮膚に塗布することで表面を保護することになる。

クンジア精油はやや臭い。動物を寄せ付けない工夫の化学成分かも知れない。 天然の精油は心地よいものばかりではない。なんらかの働きをするものだ。



■TGA (Therapeutic Goods Administration)

オーストラリアの行政機関 TGA から、クンジアについて報告されている。 外用で使うこと。原油の塗布はよくない。植物油で希釈して使うこと。原液を使うとき専門家の意見を聞いて使うこと。 子供に触らせないこと。



■自然すぎるタスマニア

タスマニアはオーストラリアの南の島で南極の方角になる。独特な生態系の島だ。 そこで、野生の植物からクンジアの精油が蒸留されている。それ故、残留農薬の心配はない。 オーストラリア、ニュージーランドにはティートリーの仲間のような植物がたくさんある。 しかし、よく調べてみると違う種類の植物だ。クンジアはティートリーとは違う学名の植物から採油される。

オーストラリアでは農家が畑やガーデンに不思議な植物が生育しているのを見て大学に届け出て新種とわかることが多い。 タスマニアのクンジアは大自然の独自の環境の中で進化してきた植物だ。クンジアの精油のパワーは強い。 いまだにオーストラリアでは農家の畑の中で新種の植物が発見されるという。 その後使用法や利用法が研究されてきたところだ。 クンジアやブルーサイプレスなどのオーストラリアの精油は最近になって日本にも紹介されて愛用者が増えてきた。



■クンジアの発見

Kunzea クンジアがオーストラリアが原産で、日本でも話題をよんでいる。 クンゼアあるいはクンジアと読む。Du Cane Kunzea® は商標登録。 評価として「強い精油」といわれています。 日本ではおなじみのティートリーとは違うクンジア Kunzea ericoides はオーストラリアやニュージーランドが原産地だが、 植物としては、日本で知られているティートリーとは少し違う種のものだ。 現在注目されているクンジア Kunzea ambigua はタスマニアで生産している (右写真)。 タスマニアの生産者が見つけたものだ。 タスマニアの生産者 John Hood 氏により1993年に発見され、1990年代に開発されたことは有名な話しだ。 クンジアは大学でも研究されて鎮痛剤や抗炎症効果等のメディカルユーズの精油として着目されている。 局所的にクンジアを塗布するのがよいとして、1%,10%濃度で塗布されている。 局所使用の場合では希釈しないで塗布される。 全身に塗布する時は他の精油とブレンドしてトータルで1%濃度にするとよい。この濃度以上のとき有害事象が生じるとの報告はない。



■メディカルユーズのクンジア

Kunzea genus(属)の仲間は36種あるので学名で区別できる。 精油を買うときはクンジア Kunzea ambigua を選ぶ。水がきれいなタスマニア原産だ。 35年ものの鉄ワイヤーがさびていないことから、クンジアは発見されている。 植物のオイルが浸出して鉄部をコーティングしていたことになる。 植物に豊富な抗酸化能をもつオイルが含まれているものと考えられた。 クンジアには強力な抗微生物と抗炎症効果がみられる。オーストラリアでは筋肉痛や関節痛・リューマチの痛みの治療に使われている。 足の関節において尿酸が蓄積する痛風では、1日に何度も患部に塗ること。皮膚のひりひり感も抑えるという。 皮膚の湿疹やニキビの疾患によく効いている。神経的な緊張をほぐしたり、ストレスや中間的な不安感の軽減にもよい。 旧大陸のようにタスマニアの精油に合成油が添加されていることはない。 匂いは特徴的なもので、それで生理活性が強いのか。 医学的効果は、クンジアのα-ピネン(40%)と1,8-シネオール(10%)の高濃度配合に起因しているともいわれる。 タスマニア大学薬学部で成分分析や薬理作用を研究している。 日本輸入に際してヨーロッパ産精油のようなブローカーが仲に入らないので、 タスマニアのクンジアは騙しの疑いはないので安心して使える。 ニュージーランドでは、Kunzea ericoides が Kanuka と呼ばれている。 フランスでは医師の指導により内服しているという。 Daniel Penoel はフランスの芳香医療の医師だが、クンジアの経口投与による医療を推進しているが、日本では内服できない。

ティートリーはキャプテン・クックのオーストラリア到着以前から発酵茶として飲まれていた。 クックの子孫の話しではキャプテン・クック自身はお茶を飲んでいないという。 毒かもしれないものは飲まないのが探検家の心得だ。 日本では知られているティートリーと同じ種であるクンジアを試してみよう。 クンジアは新大陸で発見された精油で、その毒性や生理活性はオーストラリアで慎重に研究されてきている。 Du Cane Estate, Tasmania, Australia が産地で植物の葉や花を水蒸気蒸留して精油を採る。 しっかりしたルートで日本にも真正クンジア Kunzea ambigua が輸入されている。 植物名 Kunzea ambigua と生産農家を確認してから買うこと。 オーストラリアでは医療用としての用途が広まってきた。Ducane Kunzea Oil は販売者の商標。



■クンジアのアンチエイジング効果に期待

皮膚は紫外線にさらされ腐食こそしないが劣化する。28日周期のターンオーバーにより新陳代謝され若い肌に生まれ変わる。 しかし、加齢により、皮膚の脱水症状も進行するので、スキンケアは必要なことだ。 このような疲れた皮膚にクンジアのようなオイルのスキンケアはどうだろうか。 植物油に薄めて1%-3%でケアしたらどうだろうか。顔の部分はその半分の濃度にして使用するとよい。


クンジア Kunzea ambigua の成分表 (Table 1)

■試験施設 オーストラリア NSW州 主要産業部 
診断および分析研究部門 環境研究室 マイク・ラッセル氏

化学成分 含量 (%)
alpha-pinene 38.8
limonene 1.1
1,8-cineole 10.7
alpha-terpineol 1.5
caryophyllene 1.0
aromadendrene 1.3
leden 2.4
bicyclogermacrene 4.8
cis calamenene 1.2
globulol 10.9
viridiflorol 9.1
spathulenol 1.8
ledol isomer 1.5


■タスマニア大学によるクンジアのの成分表の研究

タスマニア大学でクンジア Kunzea ambigua の化学成分を GC/MS, GC/FID 法で精密に解析され、学術論文で発表されている。 α-ピネン (48.3%)、1,8-シネオール (14.5%)、α-テルピネオール (1.9%) などのモノテルペン (70%) が主成分だ。 ビリディフロロールやスパシュレノールのようなセスキテルペンアルコールも含まれ薬効に寄与しているようだ。 このようなアルコール類は殺菌効果やメンタルな影響もある。 オーストラリアの NSW 研究施設のデータた一致している。これに合致しないものは偽物と判断できるだろう。 クンジアの精油は当該植物の地上部を水蒸気蒸留法で抽出している。

天候、水や土壌などの栽培条件あるいは蒸留条件による化学成分は変動するが、ワイルドに生育しているのでやむをえない。 α-ピネン (0-62.5%)、1,8-シネオール (0-11.2%)、バイサイクロジャーマクレン (0.4-14.0%) というように、 採取、蒸留毎に化学成分の濃度が大きく異なるのでコマーシャルで販売するときは品質管理上、成分がこの範囲内の製品を出荷する。 オーストラリア・ニュージーランド産のクンジア属の植物の精油は、農場が広い範囲にわたるので、 このように化学成分に変動が見られるのが特徴だ。 Kunzea ambigua に限ったことではない。そのために、ロット毎の成分表で化学成分量を確認することが必要だ。

グロブロール Grobulol はニアウリやティートリーにも含まれている。特徴的な成分だ。



■クンジアとティートリー(Table 2) の成分表の比較

クンジアとティートリーは天候、水、土壌などの影響で化学成分が変化するといわれている。 製品規格では化学成分濃度の最小と最大値を規定している。その範囲のものが規格内として出荷されている。 フランスでは精油は医薬品なので規格は国で厳密に指定されている。 成分濃度は毎年の生育・蒸留条件で変動するので、栽培農家による独特なロットごとの成分表ができることになる。 オーストラリアでは政府機関の研究室で分析されている。

クンジア Kunzea ambigua の生産農家はタスマニアにある。そこから純良なクンジアが日本に輸入されている。 日本の販売元に生産農家を確かめること。生産農家が明らかでない精油は合成油である可能性がある。

クンジアには、alpha-pinene、globulol、viridiflorol、spathilenol の成分量が多いのがわかる。 ピネンは化学式がC10H16で表されて、モノテルペン系の炭化水素化合物で、名称はマツ (pine) に由来し、 その名の通り松脂や松精油の主成分である。 リモネンもモノテルペン。1.8-Cineoleはローズマリーの特徴成分でもある環状エーテルで麻酔作用がある。 α-Terpinene などは芳香族系テルペン類で Terpinen-4-ol はそのアルコール。 これらは植物内の二次代謝で合成されたもの。 これらのことはアロマテラピースクールの教科書にも書かれていることだろう。

クンジアのくせのある匂いの化合物は「グロブロール」や「ビリジフロロール」、 「スパシュレノール」という微量に含まれているアルコール成分。これらは相当な生理作用をもつ。 これらの化学成分はティートリーでは極少量含まれているにすぎない。それでクンジアの特徴成分といわれる。 タスマニアのクンジアも臭いでわかる。 ローズマリー・シネオールケモタイプ Rosmarinus officinalis CT 1,8-cineoleやラヴィンサラ Ravensara aromatica、 サイプレス Cupressus sempervirens などとブレンドするとよい。 日本に輸入されているが、ラベンサラと間違えられた Cinnamomum camphora がラベンサラのラベルで市場に出ているが、 1,8-シネオールが大量に含まれている製品があるので注意すること。

ティトリー精油にはTerpinen-4-olが50%まで含まれる。Terpinene が多いのは植物二次代謝の前駆体だからだ。 クンジアに多い alpha-pinene は少ない。



Component Minimum(%) Maximum(%)
α-Pinene 1 6
Sabinene trace 3.5
α-Terpinene 5 13
Limonene 0.5 1.5
1.8-Cineole trace 15
γ-Terpinene 10 28
Terpinolene 1.5 5
Terpinen-4-ol 30 48
α-Terpineol 1.5 8
Aromadendrene trace 3
Ledene(syn.viridoflorene) trace 3
õ-Cadinene trace 3
Globulol trace 1
Viridiflorol trace 1
Table.2 Tee-Tree Essential Oil