アメリカではじめて仕事をしました。

 

その仕事は、選挙の手伝い。

 

大統領選挙がある今年、

カリフォルニアは3月5日が

予備選挙の日。

 

 

住んでいるカウンティで、

投票所で働く人を募集していて、

「日本語話者も応募歓迎」とあったので、

応募したら、

めでたく採用されました拍手

 

 

とは言っても、

短期間の臨時の仕事なので、

それほど難関の仕事ではないですが笑

 

 

犬の散歩で通りかかった公園の看板。

5か国語で「投票所」と書いてあります。

 

 

アメリカの選挙といえば、

前回の大統領選で、負けた候補者が

「盗まれた」と大騒ぎして

未だに支持者はそう信じていること、

熾烈な接戦だったことなどを日本のニュースで

聞いていて、面白そうだと思った一方で、

 

 

日本の家族や友達からは

「危険だからやめなさい」

「投票所が襲われたらどうするの?」

などと言われました・・・笑笑

 

そういう心配もアメリカアメリカならありますよね・・・

 

夫からは、「票を盗むなよ」と

からかわれました笑

 

 

 

仕事開始の前に

研修をみっちり受けました。

研修の最初の日は座学でしたが、

かなりの情報量で、

頭は飽和状態になりましたガーン

 

 

 

2日目は、ロールプレーや投票所の

設置や片付けの練習をしました。

機材は重いし、設置や片付けは、

けっこう肉体労働です泣

 

 

驚いたのは複雑な投票制度と、

投票手段が複数あること、

そして投票者に対しては、

客室乗務員くらいの丁寧さとサービス精神で

接する、ということ。

 

 

とにかく笑顔照れ照れ照れで、

「投票に来てくれてありがとう」を言う、

投票者の話を聴いて丁寧に接する、

と徹底指導されました。

 

 

私が住むカウンティは、

投票所に来た人は、書類不備などがあっても

基本的に投票してもらう、という

方針なのだそうです。

 

 

そのかわり、

選挙事務所がその人のデータや票を

しっかり確認するようです。

 

 

 

 

投票所で投票する場合は、

2度手間、3度手間、10度手間くらいの

確認に確認を重ねる作業をして、

投票マシンまたは投票用紙を使って投票しますガーンガーン

 

投票者も「え?まだ手続きがあるの?」と

言うほど。

 

 

チェック、チェック、チェック、、、、またチェック、、、

という感じで、手書きで色々記入してもらったり、

データを確認したりします。

 

 

日本だったら役所から送られたお知らせをもって会場へ行き、

受付で確認したら白紙の票を引き換えにもらって

党名や候補者名を記入して箱に投票、で終わりですが、

私が住むカウンティはとにかく、厳重です。

 


この10度手間笑い泣きとも思える投票方法は、

「不信に基づく投票制度」なのかな、と思いました。

 

 

結果を受け入れない人や

票が盗まれたとか、死者が投票した、

と信じる人がいるので、

こんなに手間をかけるのですよね・・・・

 

 

私と同じようにpoll workerとして働く人は、

特に初めてこの仕事をする人は

州の最低賃金で、長時間労働です。

 

どこの国も、底辺の労働者が最低賃金で

面倒くさい仕事を支えているのは

共通ですね笑笑

 

 

 

他の人から見えないように

投票用紙を隠すファイルもあり、

投票後は、ファイルが空であることも

投票者に確認してもらい、

さらに、その日の最初の投票者には、

投票箱が空かどうか(前日の票が残って

いないかどうか)を確認してもらう儀式?

まであります。

 

投票日の前から期日前投票ができるので

投票受付中、毎日この儀式をしました。

 

投票所を見学するオブザーバーも

受け入れます。

オブザーバーは1日中でも投票所に

いることを許されるようです。

 

 

ここまでするのかびっくりびっくり

というくらい、とにかく透明性を高め、

厳重チェックを行います。

 

 

さらに、研修では

投票マシンで投票したくない、

という人への対応、

郵便投票の封筒を忘れた人への

対応、

など色々練習しました。

 

投票マシンに関しては、前の大統領選で、

集計機が票を失った??、とか

言った人がいたらしい・・・・!?!?!?

 

 

あらゆる手段で、

不信を払拭しようとしていて、

不正な投票がないように、サインだの

事前登録だのが必要で、

 

 

それでも根強い不信感を持っているのは

主要な2大政党の支持者がお互いに

「あいつらは狡い」と信じ切っているから

なのでしょうね。

 

 

 

そして、投票所での決まりも

色々覚えさせられました。

 

政治的な話しは絶対してはいけない、

立候補者の名前が書かれた帽子や

Tシャツを着た人が来たら、

見えないように上着を着るとか

裏返しに着てもらう、

などなど・・・。

 

 

立候補者の名前はダメだけど、

テイラー・スウィフト、

MAGA、

Gavin Newsom for President

は、いずれも立候補者の名前ではないので

許容範囲らしいですキョロキョロ

 

 

研修では複雑な制度と

覚えきれないほどの手続きに

圧倒され、どうなるのか非常に不安でしたが、

 

仕事が始まったら、

アメリカ人の仕事の仕方や、

投票に来る、かなり個性的な笑い泣きアメリカの人々を

観察することができ、

 

英語ではじめてアメリカ人を相手に

仕事をする体験もして、

とても良い経験になりました。

 

(つづく)