『透明なルール』
佐藤いつ子/KADOKAWA

最後の一行を読み終えた瞬間、胸が詰まって泣きそうになった。
すごく爽やかな読後感。
なのに、感動とはまた違う、涙が出そうな気持ち。

学校という枠の中にいる子どもたちの描き方が、秀逸。
みんな違ってみんないい、と道徳では教えながら、決まった約束の中でまとめて掌握しようとする学校。
たしかに、そう。

私は仕事で、「そっか。そうしたいと考えたなら、そうしていいよ」「主張するのも大切だしなぁ」と、割と子どもたちの考えを受け入れてしまう。「そうなんだけどね(ここはちゃんとやらせなきゃ)」とベテラン同僚に言われて子どもの行動を正されると、「あ、やべ」とはっとする。
そんな風だからなおさら、一般的な公立学校のザ学校を目の当たりにすると、ドキドキしてしまう。

ギフテッドの愛とか、集団から浮いている誠とか、カースト上位の流星と瞳子とか、多様性がはっきり描かれている。
この時期を過ぎたから、「わかるなぁ」と私は思えるけど、中学生が読んでも少し難しいかな?
渦中の子にはなかなか伝わらないかもしれない。

特に、ちょっと浮いてしまって、その理由がわからなくて辛い思いをする子って、たぶん内容は読み取りきれない。そんな子達にこの本を読んでほしいけどね。

面白いけど、切ない。
学校に属さなくても、当たり前のように居場所を選択できるようになるといいな。