『きみの鐘が鳴る』
尾崎英子/ポプラ社
主人公の位置付けのつむぎは、どこにでもいる典型的な子。
やりたいことがあって素敵な学校に憧れ、クラスでは会わない女子とのトラブルがあって、塾では自分が出せる。
ラストは苦しかったけれど、走り抜けて、「失敗なんかない。全てが自分を作っている」を得られた。
学校生活がスムーズにいかないのは、女子あるあるかなと思いました。
特に、唯奈の学校生活が切なくて。
みんなの気持ちが分からないから、とりあえず笑っておこう。
よく分からないけど、みんなが笑っているってことは、今、間違ったことを言ったんだろうな。
表面上は笑い飛ばしながらも、本当は泣きたいくらい苦しい。
そんな風に日々過ごしているなんて、親としては胸が張り裂けそうです。
理解のあるお父さんとお母さん、保健室の先生がいてよかったなぁと思います。唯奈の才能を見極め、伸ばしてもらえてよかったなぁと。
家庭内のことは、現実はわかりませんが、おおむね同じようなことが起きているのでしょう。
普通に生活している良識のある大人は、子どもの前で感情をむき出しにすることはなかなかないから、子どもにとっては衝撃が大きいですよね。
ましてや、原因は自分の受験。それで親が泣いたり怒ったりする姿を見るのは、動揺します。
その辺りも、うまく描かれているなぁと思いました。
個人的には、涼真の2月のエピソードを知りたかったけれど、読者の想像通り、ということになるのでしょうか。
だからこそ、エピローグは涼真が前向きに学校生活を送っている様子を綴ったのだと思います。
比呂も深掘りしてほしかったですが、「よくいる小学生」ではないから、エピソードは作らなかったのでしょう。
読後感がさわやか。
可愛い小学生たちに、癒されました。