研修生たちの食事は大抵寮で自炊をするか、工場(食品会社の場合)で昼食に供給される調理パンなどである。会社の先輩・同僚などからの差し入れもたまにはあるようだが、いわゆる”日本食”にありつくことが少ない。日本食というのは外国人が言うもので、寿司、刺身、てんぷらなどの類いであるが、彼女らと外出したり東京見物の折にできれば少しでもその体験をさせてあげたかった。しかし如何せん会社時代のように接待費を使えるわけではなし、年金生活の身であって意のままにはならなかった。
寿司はカウンターでお好みで握ってもらうすし屋というわけにも行かず、和食レストランでの握りセットとか回転ずしで我慢してもらった。回転ずしは今や日本の文化と言えるのでまあ良しとしよう。刺身は研修生にはまだ馴染めないようで敢えて試さなかった。てんぷらは天ぷら屋の天丼とか和食レストランのセットメニューで味わってもらった。その他、元の発祥は中国かも知れないが今では日本の人気食であるラーメン、ファーストフードの牛丼、うどん屋、居酒屋などにも行った。一度だがふぐのチェーン店に入ったこともあるし、帰国前に割烹の懐石料理で送別をしたこともあった。しかしそれらはみんなにしてあげられたことではなく、今でも心残りのところがある。

東京見物でお寿司の昼食/寮の近くのラーメン屋で/懐石料理で送別を