2010年4月30日の夜、私は中国のタクシーのラジオから流れ来る「昴」を聞いた。言わずと知れた日本の歌手谷村新司の大ヒット曲である。それは翌日から始まる上海万博の開幕セレモニーに招かれた谷村新司が歌っているのであった。
私は「昴」の曲が大好きである。宴会のカラオケで自分が歌うこともあったくらいなのだが、異国で聞く生放送の「昴」にはジーンと来た。タクシーの運ちゃんは私が日本人と分かったわけではなく、そのラジオ放送は自らが聴いていたのである。
因みにその当時私は、山東省維坊市にある山東経貿学院という3年生の大学で日本語教師を勤めており、中国のゴールデンウィーク(労働節を中心とする連休)を利用して青島市に来ていて、連休で帰省した教え子に観光や食事などの案内をしてもらっていた。それはホテルへの帰りのタクシーの中であったのだ。

その谷村新司さんが昨日(10月16日)亡くなった。今朝の新聞のテレビ欄を見ると、午前中の民放各社がこぞって特別番組を組んでいる。朝テレビをつけたら早速その一つの番組にずっと見入ってしまった。
番組では谷村新司が中国では上海音楽学院という大学での教授を務めていたことを報じていたが、私もそれは知っていて、日本だけでなく中国でも人気・人望のある歌手が74歳で逝ってしまったのだ。